
きのこを買ったあと、冷蔵庫の中で数日たってから迷うことがあります。
これはまだ食べられるのか。
少し黒いけれど大丈夫なのか。
パックの中に水滴が出ているけれど使っていいのか。
えのき、しめじ、しいたけ、まいたけで日持ちは違うのか。
きのこは毎日の料理に使いやすい食材ですが、パッケージに賞味期限が書かれていないことも多く、判断に迷いやすい食材です。
結論から言うと、きのこは生鮮食品なので、買ったらできるだけ早めに食べるのが基本です。
冷蔵なら数日から1週間程度を目安にし、すぐ使わないなら冷凍保存に回すと無駄にしにくくなります。
ただし、日数だけで判断するのは危険です。
ぬめりがある。
酸っぱいにおいがする。
水分が出てべちゃっとしている。
黒ずみが広がっている。
カビのようなものが見える。
こうした変化があるきのこは、加熱すれば大丈夫と考えず、食べない判断をしたほうが安心です。
気になる内容からチェック
きのこに賞味期限が書かれていないのはなぜ?
スーパーで売られているきのこには、賞味期限が書かれていないことがあります。
これは、きのこが加工食品ではなく、生鮮食品として扱われるためです。
野菜と同じように、パッケージに日付がない商品も多くあります。
そのため、きのこは「何月何日までなら必ず大丈夫」と考えるより、買った日、保存状態、見た目、におい、触った感覚で判断することが大切です。
同じ日に買ったきのこでも、店頭に並ぶ前の状態、持ち帰るまでの温度、冷蔵庫の環境によって傷み方は変わります。
特に夏場や、買い物後に長時間持ち歩いた場合は、いつもより早めに使い切る意識が必要です。
きのこは何日もつ?
きのこの日持ちは、種類や保存状態によって変わります。
冷蔵保存なら、目安はだいたい2〜7日程度です。
ただし、これはあくまで目安です。
新鮮な状態で買い、すぐ冷蔵し、湿気をためずに保存できた場合の話です。
水滴が多いパック、すでにしんなりしているもの、黒ずみがあるものは、早く傷むことがあります。
しめじ
しめじは、比較的使いやすく日持ちもしやすいきのこです。
冷蔵なら、数日から1週間ほどを目安に考えます。
ただし、株元が湿っている、全体がべたつく、酸っぱいにおいがする場合は食べないほうが安心です。
使うときは石づきを切り落とし、小房に分けて調理します。
すぐ使わない場合は、ほぐして冷凍しておくと便利です。
えのき
えのきは細くて水分が出やすく、傷みが分かりやすいきのこです。
冷蔵なら、できれば数日以内に使い切りたいところです。
袋の中に水分が多く出ている、全体が茶色っぽい、ぬめりがある、すっぱいにおいがする場合は避けましょう。
えのきは冷凍保存もしやすいです。
石づきを落として使いやすい長さに切り、ほぐしてから冷凍すると、味噌汁や炒め物にそのまま使えます。
しいたけ
しいたけは、傘の裏側や軸の状態を見ると鮮度を判断しやすいです。
新鮮なしいたけは、傘にハリがあり、裏側がきれいです。
日がたつと、傘がしなびたり、裏側が茶色く変わったり、湿り気が強くなったりします。
冷蔵なら数日から1週間ほどを目安にし、早めに使い切りましょう。
冷凍する場合は、石づきを落として、丸ごとまたはスライスして保存できます。
まいたけ
まいたけは香りがよく、ほぐして使いやすいきのこです。
冷蔵なら数日から1週間ほどを目安にします。
黒っぽい色はまいたけ本来の色でもありますが、べたつき、異臭、ぬめりがある場合は注意が必要です。
まいたけも冷凍保存に向いています。
手で食べやすい大きさに分けて冷凍しておくと、炒め物や汁物にすぐ使えます。
エリンギ
エリンギは比較的しっかりした食感があり、きのこの中でも扱いやすい食材です。
冷蔵なら数日から1週間ほどが目安です。
軸がぶよぶよしている、表面がぬるっとしている、においが変わっている場合は食べないほうが安心です。
冷凍する場合は、薄切りや短冊切りにしておくと、調理するときに使いやすくなります。
なめこ
なめこは、もともとぬめりのあるきのこです。
そのため、ほかのきのこと違って「ぬめりがあるから傷んでいる」とは一概に言えません。
ただし、酸っぱいにおい、袋の膨張、変色、いつもと違う強いにおい、どろっと崩れた状態がある場合は避けましょう。
なめこは傷みやすいので、買ったら早めに使い切るのがおすすめです。
味噌汁や和え物に使う場合も、しっかり加熱して食べましょう。
マッシュルーム
マッシュルームは、時間がたつと色が変わりやすいきのこです。
少しの変色だけで必ず食べられないわけではありませんが、全体が黒くなっている、ぬめりがある、においが変わっている場合は避けましょう。
冷蔵なら数日を目安にし、できるだけ早めに使うのが安心です。
スライスして冷凍することもできますが、食感は変わりやすいです。
きのこが腐るとどうなる?
きのこは傷むと、見た目やにおい、触り心地に変化が出ます。
食べられるか迷ったときは、日数よりも状態を見て判断しましょう。
酸っぱいにおい・腐敗臭がする
新鮮なきのこには、きのこらしい香りがあります。
しかし、傷んでくると酸っぱいにおい、発酵したようなにおい、腐ったようなにおいが出ることがあります。
パックを開けた瞬間に違和感があるなら、無理に使わないほうが安全です。
においが変なきのこは、加熱しても安心とは言えません。
表面がぬめる
なめこ以外のきのこで、表面がぬるぬるしている場合は注意が必要です。
しめじ、えのき、しいたけ、エリンギ、まいたけなどがべたついている、触るとぬめる、袋の中で水分が出ている場合は、傷みが進んでいる可能性があります。
少し湿っている程度なら保存中の水滴の場合もありますが、ぬめりや異臭があるなら食べない判断をしましょう。
黒ずみや変色が広がっている
きのこは種類によって色が違います。
まいたけのように元から黒っぽいものもありますし、マッシュルームのように変色しやすいものもあります。
ただし、全体的に黒ずんでいる、茶色く変色している、しなびて水分が抜けている、カビのような白や青緑のものが見える場合は避けましょう。
一部分だけ取れば大丈夫と考えたくなりますが、傷みが進んでいる可能性があります。
水分が出てべちゃっとしている
パックの中に水滴が少しある程度なら、保存環境によることもあります。
ただし、きのこ自体から水分がにじみ出て、べちゃっとしている場合は注意が必要です。
弾力がなく、ぐずぐず崩れるような状態なら、食べないほうが安心です。
カビのようなものがある
きのこにカビのようなものが見える場合は食べないでください。
「きのこ自体が菌だから大丈夫」と考えるのは危険です。
食用きのこと、傷んだ食品に生えるカビは別のものです。
カビが見えるものは、見える部分だけ取り除かず、全体を処分したほうが安心です。
きのこの冷蔵保存のやり方
きのこを冷蔵するなら、湿気をためないことが大切です。
買ったパックのまま冷蔵庫に入れてもすぐ使うなら問題ないことがありますが、数日保存するなら少し手をかけたほうが日持ちしやすくなります。
基本は冷蔵庫で保存する
きのこは常温保存に向きません。
買ってきたら、できるだけ早く冷蔵庫へ入れましょう。
特に夏場や暖房の効いた部屋では、常温に置く時間を短くすることが大切です。
冷蔵庫に入れるときは、できれば野菜室より温度が低めの冷蔵室を使うとよい場合があります。
ただし、冷蔵庫の場所によって乾燥しすぎることもあるため、キッチンペーパーや保存袋を使って調整しましょう。
洗わずに保存する
きのこは水分に弱い食材です。
保存前に洗うと、余分な水分がつき、傷みやすくなることがあります。
汚れが気になる場合は、使う直前にキッチンペーパーで軽く拭き取るくらいで十分です。
土汚れがある場合でも、長く水に浸けるのは避けましょう。
どうしても洗う場合は、調理の直前に短時間で済ませ、すぐに使うのがおすすめです。
キッチンペーパーで包む
きのこを数日保存したいときは、キッチンペーパーで包むと余分な湿気を吸いやすくなります。
そのうえで、ポリ袋や保存袋に入れ、口を軽く閉じて冷蔵庫へ入れます。
密閉しすぎると湿気がこもることがあるため、状態を見ながら調整しましょう。
パックの中に水滴が多い場合は、早めに取り出して、湿ったままにしないことが大切です。
使いかけは早めに使う
一度開封したきのこは、未開封より傷みやすくなります。
使いかけを保存する場合は、清潔な保存袋や容器に入れて冷蔵し、できるだけ早めに使い切りましょう。
手で触れた部分、切った部分から傷みやすくなるため、翌日から数日以内に使う意識でちょうどいいです。
きのこの冷凍保存のやり方
きのこをすぐ使い切れないときは、冷凍保存が便利です。
冷凍しておけば、味噌汁、炒め物、炊き込みごはん、鍋、パスタなどにそのまま使えます。
冷凍前に石づきを落とす
まず、石づきや硬い部分を切り落とします。
しめじ、まいたけ、えのきは、食べやすい大きさにほぐします。
しいたけやエリンギは、使いやすい大きさに切ります。
マッシュルームはスライスしておくと便利です。
冷凍後は切りにくくなるため、使う料理をイメージして下処理しておくと楽です。
生のまま冷凍できる
多くのきのこは、生のまま冷凍できます。
加熱してから冷凍する方法もありますが、日常使いなら、生のまま小分けにして冷凍するほうが手軽です。
保存袋に入れるときは、なるべく平らにして空気を抜きます。
使う分だけ取り出せるように、薄く広げて冷凍すると便利です。
凍ったまま調理する
冷凍きのこは、解凍せずに凍ったまま調理するのがおすすめです。
解凍すると水分が出て、食感が悪くなりやすいです。
味噌汁、スープ、炒め物、鍋、炊き込みごはんなどに、そのまま入れて使いましょう。
冷凍すると食感は少し変わりますが、料理に使えば気になりにくいことが多いです。
冷凍保存の目安
冷凍きのこの保存期間は、だいたい2〜3週間から1か月程度を目安にすると使いやすいです。
長く冷凍すると、冷凍焼けやにおい移りが起こることがあります。
保存袋に日付を書いておくと、使い忘れを防げます。
きのこは洗う?洗わない?
きのこは、基本的には洗わずに使うことが多いです。
理由は、水分を吸いやすく、洗うことで風味や食感が落ちやすいからです。
また、洗ってから保存すると傷みやすくなることがあります。
ただし、汚れが気になる場合は、キッチンペーパーで軽く拭き取るとよいでしょう。
土がついている場合や、どうしても気になる場合は、調理直前にさっと洗い、すぐに加熱します。
洗うかどうかで迷ったら、「保存前には洗わない」「使う直前に必要な分だけ手入れする」と考えると失敗しにくいです。
種類別の保存ポイント
しめじ
しめじは石づきを落とさず、使う直前まで株のまま保存すると傷みにくいです。
使いかけは、キッチンペーパーで包んで保存袋に入れ、早めに使い切ります。
冷凍する場合は、石づきを落として小房に分けてから保存します。
えのき
えのきは袋の中に水分がたまりやすいため、早めに使うのがおすすめです。
根元を落として使いやすい長さに切り、冷凍しておくと味噌汁や鍋に便利です。
しいたけ
しいたけは傘の裏に湿気がたまりやすいです。
キッチンペーパーで包んで保存し、傘の状態を見ながら早めに使いましょう。
冷凍する場合は、軸を切り分けて、傘は丸ごとまたはスライスにします。
軸も細く裂けば、汁物や炒め物に使えます。
まいたけ
まいたけは手でほぐしやすく、冷凍にも向いています。
冷蔵する場合は、パック内の水分に注意し、湿っている場合は早めに使い切りましょう。
エリンギ
エリンギは軸が太く、比較的しっかりしています。
冷蔵する場合は乾燥しすぎないように包み、冷凍する場合はスライスや短冊切りにしておくと便利です。
なめこ
なめこは傷みやすいため、買ったら早めに使います。
未開封でも長く置きすぎず、袋が膨らんでいる、においが変、色が悪い場合は避けましょう。
使うときはしっかり加熱します。
きのこを長持ちさせる買い方
保存の前に、買う時点で新鮮なものを選ぶことも大切です。
パックの水滴が多すぎないものを選ぶ
パックの内側に水滴がたくさんついているものは、湿気がこもっている可能性があります。
少しの水滴ならよくありますが、きのこ自体が濡れていたり、底に水がたまっていたりするものは避けたほうが無難です。
ハリがあるものを選ぶ
しめじやえのきは、全体にハリがあり、しんなりしていないものを選びましょう。
しいたけは、傘がしっかりしていて、裏側がきれいなもの。
エリンギは、軸がしっかりしていて、ぶよぶよしていないものが目安です。
使う予定に合わせて買う
きのこは安いときにまとめ買いしたくなります。
ただし、すぐ使わない量を買うと、冷蔵庫で傷ませてしまうことがあります。
数日以内に使う分だけ買うか、まとめ買いしたらその日のうちに冷凍へ回すのがおすすめです。
きのこを食べるときの注意点
傷んだきのこは加熱しても食べない
「火を通せば大丈夫」と考えたくなるかもしれません。
しかし、明らかに傷んだきのこは、加熱しても安全とは言えません。
におい、ぬめり、カビ、強い変色、水分のにじみ出しがある場合は、食べない判断をしましょう。
もったいない気持ちはありますが、体調を崩すほうが大きな損になります。
野生きのこは自己判断で食べない
スーパーで売られている栽培きのこと、野山で採れる野生きのこは別に考える必要があります。
野生きのこには、食用きのこと見た目が似ている毒きのこがあります。
詳しくない人が自己判断で採って食べるのは危険です。
人からもらった野生きのこでも、種類が確実に分からないものは食べないほうが安全です。
体調が悪いときは無理に食べない
きのこは食物繊維が多く、体に良いイメージがあります。
ただし、胃腸の調子が悪いとき、人によっては重く感じることがあります。
お腹が痛い、下痢気味、吐き気があるときは、無理に食べず、消化にやさしい食事を選びましょう。
きのこの保存でよくある疑問
パックのまま冷蔵してもいい?
買った翌日までに使うなら、パックのまま冷蔵でも問題ないことがあります。
ただし、数日保存するなら、パック内の水滴や湿気に注意が必要です。
水分が多い場合は、キッチンペーパーで包み直して保存袋に入れると傷みにくくなります。
きのこは冷凍するとまずくなる?
冷凍すると食感は変わることがあります。
特に、マッシュルームやえのきは水分が出やすく、解凍すると食感が落ちやすいです。
そのため、解凍せずに凍ったまま加熱調理するのがおすすめです。
味噌汁、スープ、炒め物、鍋、パスタ、炊き込みごはんに使えば、冷凍きのこでもおいしく食べやすいです。
少し黒いだけなら食べられる?
種類によります。
まいたけのように元から色が濃いきのこもあります。
マッシュルームのように少し変色しやすいものもあります。
ただし、黒ずみが広がっている、ぬめりがある、においが変、べちゃっとしている場合は避けましょう。
色だけでなく、においと触り心地も合わせて判断することが大切です。
きのこは乾燥保存できる?
しいたけのように乾燥に向くきのこもあります。
ただし、家庭で乾燥させる場合は、しっかり乾かさないとカビや傷みの原因になることがあります。
慣れていない場合は、冷蔵や冷凍のほうが扱いやすいです。
乾燥きのこを使う場合は、市販の乾燥品を選ぶと管理しやすいです。
きのこを無駄にしない使い切りアイデア
味噌汁に入れる
少しだけ余ったきのこは、味噌汁に入れると使いやすいです。
しめじ、えのき、まいたけ、しいたけ、なめこなど、ほとんどのきのこが合います。
冷凍きのこも凍ったまま入れられます。
炒め物にする
きのこは、肉や野菜と一緒に炒めると量を使いやすいです。
しょうゆ、バター、塩こしょう、ポン酢など、味付けも幅広く合います。
ただし、傷みかけているものを炒めてごまかすのは避けましょう。
炊き込みごはんにする
きのこが多めにあるときは、炊き込みごはんもおすすめです。
しめじ、まいたけ、しいたけなどを組み合わせると香りが出ます。
冷凍きのこを使う場合は、凍ったまま炊飯器に入れられるので便利です。
スープにする
きのこはスープにも向いています。
コンソメ、和風だし、中華スープ、ミルクスープなど、いろいろな味に合わせられます。
冷蔵庫に少しずつ残ったきのこをまとめて使うのにも便利です。
きのこは日数より状態を見て、迷ったら食べない
きのこは、パッケージに賞味期限が書かれていないことが多い食材です。
だからこそ、保存の目安と見分け方を知っておくと安心です。
冷蔵なら、できるだけ早めに使い切る。
すぐ使わないなら、石づきを落として冷凍する。
保存前には洗わない。
水分や湿気をためない。
酸っぱいにおい、ぬめり、強い変色、カビ、水分のにじみ出しがあれば食べない。
このあたりを守るだけでも、きのこを無駄にしにくくなります。
食べ物を捨てるのは、少し心が痛みます。
でも、傷んだきのこを無理に食べて体調を崩すほうが、ずっと大変です。
きのこは、新鮮なうちがいちばんおいしい食材です。
買ったら早めに使う。
使い切れない分は冷凍する。
迷ったら、日数ではなく状態を見る。
その習慣があれば、冷蔵庫の奥で忘れてしまったきのこにも、落ち着いて判断できるようになります。
[出典]
・ホクト株式会社「きのこに関するQ&A」
・JA全農長野「きのこの保存方法を教えてください。」
・農林水産省「食中毒予防3原則編」
・農林水産省「野生きのこによる食中毒を防ぐために」
・消費者庁「食品の期限表示に関する情報」