
丸亀製麺は、全国で知られる人気のうどんチェーンです。
一方で、ネット上ではたびたび「丸亀製麺は本場の讃岐うどんなの?」「香川県民が怒るのはなぜ?」といった話題が出ることがあります。
結論からいうと、丸亀製麺は「讃岐うどんのスタイルを全国に広げたチェーン店」であり、香川県の昔ながらのうどん店とは成り立ちや提供スタイルが異なります。
そのため、丸亀製麺そのものが悪いという話ではなく、「本場の讃岐うどん」と「全国チェーンとしての丸亀製麺」を同じものとして見てよいのか、という部分で意見が分かれやすいのです。
この記事では、丸亀製麺と讃岐うどんの違い、香川県で話題になりやすい理由、そしてどのように考えればよいのかをわかりやすく整理します。
気になる内容からチェック
丸亀製麺と讃岐うどんの違いは?
丸亀製麺と讃岐うどんの違いは、大きく分けると「発祥地」「製法や提供スタイル」「地域文化としての位置づけ」にあります。
丸亀製麺は、讃岐うどんをイメージしたセルフ式のうどんチェーンとして全国に広がりました。公式情報では、丸亀製麺の1号店は2000年に兵庫県加古川市へ出店されています。
一方、讃岐うどんは香川県に根づいた食文化です。農林水産省の情報でも、香川県の県民食として紹介されており、いりこだしや適度な弾力のある麺、地域に根づいた店舗文化が特徴として語られています。
つまり、丸亀製麺は「讃岐うどんをベースにした全国チェーン」、香川県の讃岐うどんは「地域文化として受け継がれてきた本場のうどん」と考えるとわかりやすいです。
丸亀製麺は香川県発祥ではない
丸亀製麺という名前から、香川県丸亀市で生まれたお店だと思う人もいるかもしれません。
しかし、丸亀製麺の1号店は香川県ではなく、兵庫県加古川市に出店されています。
ここが、丸亀製麺をめぐる話題でよく取り上げられるポイントです。
「丸亀」という名前が入っているため、香川県や丸亀市発祥のうどん店だと思われやすい一方で、実際の創業地は香川県ではありません。
そのため、香川県の讃岐うどんに強い思い入れを持つ人の中には、「丸亀を名乗っているのに香川県発祥ではない」という点に違和感を持つ人もいるようです。
ただし、これは丸亀製麺が人気であることとは別の話です。
全国の人にとっては、近くで打ち立てのうどんを食べられる便利な店であり、香川県のうどん文化を知るきっかけになっている面もあります。
丸亀製麺のうどんの特徴
丸亀製麺の特徴は、全国チェーンでありながら、店内でうどんを打つスタイルを前面に出していることです。
公式サイトでは、すべての店で「打ち立て・できたて」のおいしさを届けることを大切にしていると説明されています。また、うどんには北海道産小麦100%を使用しているとされています。
一般的なチェーン店では、工場で作った麺を各店舗へ配送する形もありますが、丸亀製麺は店内製麺を大きな特徴にしています。
そのため、丸亀製麺は「チェーン店だけど、できたて感を大事にしているうどん店」といえます。
一方で、香川県の昔ながらの讃岐うどん店とは、価格帯、店の雰囲気、だしの方向性、地域での食べられ方などが異なる場合があります。
本場の讃岐うどんの特徴
本場の讃岐うどんは、香川県に根づいた食文化です。
農林水産省では、讃岐うどんについて、かけ、ぶっかけ、しょうゆ、釜玉、釜揚げなど食べ方がさまざまであることや、いりこだし、弾力のある麺、香川に根づく店舗文化などが紹介されています。
香川県では、うどんが特別な外食というよりも、日常に近い食べ物として親しまれてきました。
朝から営業して昼過ぎには麺がなくなり次第終了する店、セルフ形式で自分でだしを注ぐ店、地元の人が日常的に通う店など、全国チェーンとは違う文化があります。
本場の讃岐うどんは、単に「コシが強いうどん」というだけではありません。
地域の暮らし、だし文化、価格感、店ごとの個性まで含めて、香川県のうどん文化として受け止められています。
讃岐うどんの定義はどうなっている?
「讃岐うどん」という言葉には、食品表示上の考え方もあります。
生めん類の表示に関する公正競争規約などでは、「名物」「本場」「特産」などの文言を付けて表示する場合に、香川県内で製造されたものなど一定の条件が関係すると説明されています。
一方で、「讃岐うどん」という名称そのものについては、すべての場面で香川県内製造だけに限定されるわけではありません。
ここが少しわかりにくい部分です。
日常会話では「讃岐うどん=香川県のうどん」という印象が強いですが、商品表示やチェーン店の表現では、必ずしも同じ意味で使われているとは限りません。
そのため、「法律や表示上の話」と「香川県の人が文化として大切にしている感覚」は分けて考える必要があります。
香川県で丸亀製麺が話題になりやすい理由
丸亀製麺が香川県で話題になりやすい理由は、主に3つあります。
1つ目は、丸亀製麺が香川県発祥ではないことです。
名前に「丸亀」が入っているため、香川県の丸亀市にルーツがあると受け取られやすい一方、実際の1号店は兵庫県加古川市です。
2つ目は、香川県には昔から地元のうどん店が数多く存在していることです。
香川県では、うどん店が地域の日常に深く入り込んでいます。安くておいしい地元店が多く、生活の中でうどんを食べ慣れている人にとって、全国チェーンのうどんはどうしても比較対象になります。
3つ目は、「讃岐うどん」という言葉への思い入れです。
讃岐うどんは、香川県にとって単なる料理名ではなく、地域の誇りや文化に近い存在です。そのため、全国チェーンが「讃岐うどん」を掲げることに対して、複雑な感情を持つ人が出るのは自然なことともいえます。
香川県民が怒っているというより、意見が分かれている
ネット上では「香川県民が怒っている」という表現が使われることがあります。
ただし、香川県民全員が丸亀製麺に否定的というわけではありません。
丸亀製麺の味を評価する人もいますし、全国で讃岐うどんの名前を広めたことを前向きに見る人もいます。
一方で、本場のうどん文化を大切にしている人からすると、香川県発祥ではない店が「丸亀」や「讃岐」のイメージを強く使うことに違和感を持つ場合があります。
つまり、「香川県民が怒っている」と一括りにするよりも、「香川県のうどん文化に思い入れがある人の中で、受け止め方が分かれている」と考えた方が正確です。
香川県内で丸亀製麺が少ないのはなぜ?
2022年には、丸亀製麺のイオンモール高松店が閉店し、香川県内の店舗が残り1店舗になると報じられました。
この背景には、地元のうどん店が強いこと、香川県民のうどんに対する基準が高いこと、価格や味の方向性が地元店と比較されやすいことなどが考えられます。
香川県では、うどんを日常的に食べる文化があります。
そのため、県外では十分に人気があるチェーン店でも、香川県内では「近所のいつもの店」と比べられやすくなります。
これは丸亀製麺に限らず、地域の食文化が強い場所では起こりやすい現象です。
たとえば、ラーメン、そば、寿司、餃子などでも、地元で長く親しまれている店が多い地域では、全国チェーンが簡単には受け入れられないことがあります。
丸亀製麺は讃岐うどんではないの?
丸亀製麺を「讃岐うどんではない」と言い切るのは、少し乱暴です。
丸亀製麺は、讃岐うどんのスタイルや製麺所の雰囲気を取り入れたうどんチェーンです。
一方で、香川県の地元店で食べられている本場の讃岐うどんとは、発祥地や地域性、食文化としての背景が異なります。
そのため、正確には次のように考えるのがよいでしょう。
丸亀製麺は、讃岐うどん文化を参考にした全国チェーンのうどん店。
香川県の讃岐うどんは、地域の暮らしに根づいた本場のうどん文化。
どちらが上、どちらが下という話ではなく、役割が違うと考えるとわかりやすいです。
丸亀製麺と本場讃岐うどんはどちらがおいしい?
味の好みは人によって違います。
丸亀製麺は、全国どこでも一定のクオリティで、打ち立て感のあるうどんを食べられることが強みです。天ぷらやトッピングを選びやすく、家族連れや一人利用でも入りやすい点も魅力です。
一方、本場香川県の讃岐うどんは、店ごとの個性が強く、だし、麺の太さ、コシ、価格、注文方法まで違いがあります。
観光で香川県に行くなら、地元のうどん店を食べ歩く楽しさがあります。
普段の生活で気軽にうどんを食べたいなら、丸亀製麺はとても便利な存在です。
つまり、丸亀製麺と本場讃岐うどんは、同じ土俵で優劣を決めるよりも、食べる場面によって選ぶのがよいでしょう。
まとめ
丸亀製麺と讃岐うどんの違いは、発祥地、提供スタイル、地域文化としての背景にあります。
丸亀製麺は、兵庫県加古川市に1号店を出した全国チェーンのうどん店です。店内製麺や打ち立て感を大切にし、全国で気軽にうどんを食べられる存在として広がってきました。
一方、本場の讃岐うどんは、香川県の暮らしや地域文化に根づいた食べ物です。いりこだし、弾力のある麺、地元店ごとの個性など、香川県ならではの奥深さがあります。
ネット上で「香川県民が怒っている」と言われることもありますが、実際には一括りにできる話ではありません。
丸亀製麺を評価する人もいれば、本場の讃岐うどんとは別物として考える人もいます。
大切なのは、丸亀製麺と本場讃岐うどんを対立させることではなく、それぞれの良さを分けて楽しむことです。
近くで気軽に食べるなら丸亀製麺。
香川県の食文化を味わいたいなら、本場の讃岐うどん。
そう考えると、どちらも違った魅力を持つうどんとして楽しめるはずです。