
胃が重い。
お腹の調子がいまひとつ。
食欲はあるけれど、何を食べたらいいのか迷う。
そんな日は、いつもの食事が少し負担に感じることがあります。
「消化にいい食べ物」と聞くと、おかゆやうどんを思い浮かべる人が多いかもしれません。
もちろん、それも選びやすい食事です。
ただ、胃腸がつらい日に大切なのは、食材だけではありません。
脂っこくないこと。
食物繊維が多すぎないこと。
やわらかく調理されていること。
辛すぎないこと。
冷たすぎず、熱すぎないこと。
一度にたくさん食べすぎないこと。
このあたりを意識すると、胃腸に負担をかけにくい食事を選びやすくなります。
消化にいい食べ物は、体調が悪い日だけの特別な食事ではありません。
飲み会の翌日、食べすぎた次の日、疲れがたまった夜、胃もたれする朝にも役立ちます。
無理にしっかり食べようとせず、今の体に合うものを少しずつ。
それくらいのやさしい食べ方が、胃腸がつらい日にはちょうどいいです。
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消化にいい食べ物とは?
消化にいい食べ物とは、胃や腸に負担をかけにくく、体調がすぐれないときでも比較的食べやすいものを指します。
基本は、次のような食べ物です。
・脂質が少ない
・食物繊維が多すぎない
・やわらかい
・温かい
・薄味
・小さく切られている
・煮る、蒸す、茹でるなどで調理されている
反対に、揚げ物、脂身の多い肉、香辛料の強い料理、硬い野菜、きのこや海藻をたくさん使った料理は、胃腸が弱っているときには重く感じることがあります。
普段なら体にいい食材でも、胃腸がつらい日に合うとは限りません。
たとえば、玄米、きのこ、海藻、ごぼう、豆類、サラダなどは健康的なイメージがありますが、食物繊維が多く、調子が悪い日には負担になることがあります。
胃腸が弱っているときは、「健康によさそう」よりも「今の胃腸にやさしいか」で選ぶことが大切です。
胃腸がつらい日に選びたい消化にいい食べ物
おかゆ
胃腸がつらい日の定番は、おかゆです。
やわらかく、水分も多いため、食欲がないときでも口にしやすい食事です。
白米をやわらかく炊いたおかゆは、胃腸に負担をかけにくく、エネルギー補給もしやすいです。
最初は白がゆで十分です。
味が物足りない場合は、塩を少しだけ。
体調が戻ってきたら、卵を加えたり、やわらかく煮た野菜を足したりすると食べやすくなります。
ただし、梅干しをたくさん入れる、濃い味の漬物と一緒に食べる、油っぽい具材を足すと、胃に刺激になることがあります。
つらい日は、できるだけシンプルなおかゆから始めましょう。
うどん
うどんも、消化にいい食べ物として選びやすい主食です。
特に、やわらかく煮たうどんは食べやすく、体も温まりやすいです。
胃腸がつらい日は、コシの強いうどんより、少しやわらかめに煮たものが向いています。
おすすめは、かけうどんや煮込みうどんです。
具材を入れるなら、卵、豆腐、やわらかく煮た大根やにんじんなどが合わせやすいです。
反対に、天ぷらうどん、肉うどん、カレーうどん、辛い味付けのうどんは、胃腸が弱っているときには重く感じることがあります。
うどんを選ぶなら、具材とつゆの濃さにも気をつけましょう。
白ごはん
おかゆほどではなくても食べられそうなら、白ごはんも選択肢になります。
玄米や雑穀米は健康的ですが、胃腸がつらい日には白米のほうが食べやすい場合があります。
噛む力が落ちているときや胃もたれがあるときは、少しやわらかめに炊くとよいでしょう。
いきなり普通の量を食べるのではなく、小さめの茶碗に軽く一杯から。
よく噛んで、ゆっくり食べることが大切です。
食パン
ごはんやうどんに飽きたときは、食パンも選びやすい主食です。
ただし、胃腸がつらい日は、バターをたっぷり塗ったトースト、揚げパン、菓子パン、クリームの多いパンは避けたほうが無難です。
食べるなら、シンプルな食パンを軽く焼くか、そのまま少量。
牛乳が合わない人は、無理に合わせる必要はありません。
パンは食べやすい一方で、ジャムやバターを多く使うと重くなります。
胃腸がつらい日は、味を足しすぎないことがポイントです。
たんぱく質をとりたいときの消化にいい食べ物
豆腐
豆腐は、胃腸がつらい日に使いやすいたんぱく質源です。
やわらかく、温めても食べやすく、味も強すぎません。
冷ややっこより、湯豆腐や豆腐入りスープのように温かくして食べるほうが胃腸にやさしく感じることがあります。
薬味をのせる場合は、ねぎやしょうがを少量にしましょう。
辛いタレや濃い味付けにすると、胃に刺激になることがあります。
卵
卵は、体調が戻ってきたときに取り入れやすい食材です。
おかゆに溶き卵を入れる。
うどんに卵を落とす。
茶碗蒸しにする。
やわらかい卵とじにする。
このような食べ方なら、比較的食べやすくなります。
ただし、油を多く使った目玉焼きや、硬く焼いた卵料理、マヨネーズを多く使った卵サラダは、胃腸がつらい日には重く感じることがあります。
卵を食べるなら、やわらかく、油を控えめにするのがおすすめです。
鶏ささみ・鶏むね肉
肉を食べたいときは、脂肪の少ない鶏ささみや鶏むね肉が選びやすいです。
茹でる、蒸す、細かくほぐす、スープに入れる。
このように調理すると、食べやすくなります。
唐揚げやチキンカツのように油を使った料理は、胃腸が弱っているときには避けたほうが安心です。
肉は、部位と調理法で重さがかなり変わります。
胃腸がつらい日は、脂身の少ないものを少量からにしましょう。
白身魚
魚なら、白身魚が選びやすいです。
たら、かれい、たいなどは、煮魚や蒸し料理にするとやわらかく食べやすくなります。
焼き魚でも食べられますが、焦げや脂が気になる場合は煮る・蒸すほうが向いています。
一方で、脂の多い魚、味の濃い干物、揚げた魚、香辛料の強い魚料理は、胃腸がつらい日には重くなることがあります。
野菜で選びたい消化にいい食べ物
大根
大根は、やわらかく煮ると食べやすい野菜です。
大根の煮物、みぞれ煮、スープ、味噌汁の具などにすると、胃腸がつらい日でも取り入れやすくなります。
ただし、生の大根おろしは人によって刺激に感じることがあります。
胃が弱っているときは、加熱した大根のほうが安心です。
にんじん
にんじんは、やわらかく煮ると食べやすい野菜です。
スープ、煮物、ポタージュなどにすると、胃腸にやさしい一品になります。
小さく切って、しっかり火を通すのがポイントです。
硬いままのサラダや、油を多く使った炒め物より、煮る・蒸す調理が向いています。
かぶ
かぶは火を通すとやわらかくなり、胃腸がつらい日にも食べやすい野菜です。
かぶのスープ、かぶの煮物、かぶ入りのおじやなどにすると、口当たりもやさしくなります。
葉の部分は食物繊維が多く感じることもあるため、調子が悪い日は白い根の部分を中心に使うとよいでしょう。
じゃがいも
じゃがいもは、やわらかく煮たり、つぶしたりすると食べやすい食材です。
ポタージュ、スープ、やわらかい煮物などに向いています。
ただし、フライドポテトやポテトチップスのように油を多く使ったものは避けましょう。
同じじゃがいもでも、調理法によって胃腸への負担は変わります。
かぼちゃ
かぼちゃは、やわらかく煮ると食べやすく、甘みもあるため食欲がない日にも取り入れやすい食材です。
ただし、皮は硬く感じることがあります。
胃腸がつらい日は、皮を外すか、しっかりやわらかく煮ると食べやすくなります。
煮物にする場合は、砂糖やしょうゆを使いすぎないようにしましょう。
果物で選びたい消化にいい食べ物
バナナ
バナナは、やわらかくて食べやすい果物です。
食欲がない朝や、少しだけ何か食べたいときにも向いています。
冷えたまま食べるとお腹に合わない人もいるため、胃腸が弱っているときは常温に近い状態で食べるとよいでしょう。
ただし、食べすぎるとお腹が張ることもあります。
まずは半分から1本程度を目安に、体調を見ながら食べましょう。
りんご
りんごは、そのままだと硬く感じることがあります。
胃腸がつらい日は、すりおろしたり、やわらかく煮たりすると食べやすくなります。
冷たいりんごより、常温または少し温かいりんごのコンポートのほうが合う人もいます。
皮は食物繊維が多いため、調子が悪い日はむいて食べると安心です。
桃や果物缶
桃や果物缶も、やわらかく食べやすい果物です。
ただし、シロップが多いものは甘さが強く、胃腸がつらい日に重く感じることがあります。
食べるなら、シロップを少し切って、少量にしましょう。
消化に悪い食べ物は?
揚げ物
胃腸がつらい日にまず避けたいのは、揚げ物です。
唐揚げ。
とんかつ。
天ぷら。
フライドポテト。
コロッケ。
揚げパン。
これらは脂質が多く、消化に時間がかかりやすい食べ物です。
普段はおいしく食べられても、胃もたれしている日や下痢気味の日には負担になることがあります。
脂身の多い肉
バラ肉、ベーコン、ソーセージ、脂の多い焼肉なども、胃腸がつらい日は控えめにしたい食べ物です。
肉を食べるなら、脂身の少ない部位を選び、茹でる・蒸す・煮る調理にしましょう。
香辛料の強い料理
辛い料理は、胃腸がつらい日には刺激になることがあります。
カレー。
麻婆豆腐。
キムチ鍋。
唐辛子を多く使った料理。
にんにくやこしょうが強い料理。
食欲をそそる味ではありますが、調子が悪いときには避けたほうが安心です。
食物繊維が多い食べ物
食物繊維は健康に大切な栄養素です。
ただし、胃腸がつらい日には、食物繊維が多い食べ物が負担になることがあります。
ごぼう。
れんこん。
たけのこ。
きのこ。
海藻。
こんにゃく。
玄米。
雑穀米。
生野菜サラダ。
普段なら良い食品でも、胃腸が弱っている日は控えめにしたほうがよい場合があります。
冷たいもの・熱すぎるもの
冷たい飲み物やアイス、熱すぎるスープも、胃腸に刺激になることがあります。
胃腸がつらい日は、常温から少し温かいくらいの温度が食べやすいです。
熱々の料理を急いで食べるのではなく、少し冷ましてから口にしましょう。
アルコール・カフェイン
胃腸の調子が悪いときは、アルコールは避けたほうが無難です。
コーヒー、濃い緑茶、エナジードリンクなど、カフェインを多く含む飲み物も、人によっては胃を刺激することがあります。
水分補給なら、水、白湯、麦茶、経口補水液などを体調に合わせて選びましょう。
胃腸がつらい日の食べ方
一度にたくさん食べない
胃腸がつらい日は、いつもの量を無理に食べる必要はありません。
一度にたくさん食べると、消化に負担がかかります。
少量をゆっくり食べて、様子を見ることが大切です。
食べられそうなら、少し時間を空けて追加する。
食べたくないなら、無理に詰め込まない。
このくらいの感覚で大丈夫です。
よく噛んで食べる
消化にいい食べ物を選んでも、急いで食べると胃腸に負担がかかります。
やわらかいものでも、できるだけよく噛んで食べましょう。
特に、うどんやごはんは飲み込むように食べてしまいがちです。
ゆっくり食べるだけでも、胃の重さを感じにくくなることがあります。
温かいものを選ぶ
胃腸がつらい日は、温かい食事のほうが食べやすいことがあります。
おかゆ。
煮込みうどん。
野菜スープ。
湯豆腐。
白身魚の煮付け。
こうした料理は、体も温まり、食欲がない日にも取り入れやすいです。
ただし、熱すぎるものは刺激になるため、少し冷ましてから食べましょう。
味付けは薄めにする
胃腸がつらい日は、濃い味付けより薄味が向いています。
塩分が強いもの、辛いもの、酸味が強いもの、にんにくが強いものは控えめにしましょう。
物足りないと感じる場合でも、いきなり濃くするのではなく、だしの風味や卵、豆腐、やわらかく煮た野菜で満足感を足すのがおすすめです。
コンビニで選びやすい消化にいい食べ物
自炊できない日でも、コンビニで選べるものはあります。
おかゆ・雑炊
レトルトのおかゆや雑炊は、胃腸がつらい日に選びやすいです。
ただし、味が濃いもの、具材が多すぎるもの、脂っこいものは避けましょう。
白がゆ、卵がゆ、梅がゆなど、シンプルなものが無難です。
梅がゆは食べやすいですが、酸味や塩分が気になる人は少量からにしましょう。
うどん
コンビニのうどんも、選び方次第で胃腸にやさしい食事になります。
おすすめは、シンプルなかけうどんや煮込み風のうどんです。
天ぷら、肉、辛味の強い具材が多いものは避けたほうが安心です。
豆腐
冷ややっこや豆腐パックも選択肢になります。
胃腸がつらい日は、冷たいままより、可能なら温めて食べるほうが合うことがあります。
薬味やタレをかけすぎないようにしましょう。
茶碗蒸し
茶碗蒸しは、やわらかく食べやすい食品です。
卵を使っていて、口当たりもやさしいため、食欲があまりない日にも向いています。
ただし、具材が多いものや味が濃いものは、体調に合わせて選びましょう。
バナナ
バナナは、コンビニでも買いやすい果物です。
包丁もいらず、そのまま食べられるため、胃腸がつらい日や朝食代わりにも便利です。
冷えすぎているものより、常温に近いほうが食べやすい場合があります。
プリン・ヨーグルト
プリンやヨーグルトは、口当たりがよく、食欲がない日にも選びやすい食品です。
ただし、甘さが強いものや脂肪分が多いものは、人によって重く感じることがあります。
少量から試して、体調に合うか見てください。
ヨーグルトは合う人もいれば、お腹がゆるくなる人もいます。
無理に食べる必要はありません。
症状別に選びたい食べ物
胃もたれしているとき
胃もたれしているときは、脂っこいものを避けることが大切です。
おすすめは、おかゆ、うどん、豆腐、白身魚、野菜スープなどです。
揚げ物、焼肉、ラーメン、カレー、アルコールは控えめにしましょう。
食べる量も少なめにして、ゆっくり食べることがポイントです。
下痢気味のとき
下痢気味のときは、食事よりも水分補給が大切になることがあります。
水、白湯、麦茶、経口補水液などを少しずつ飲みましょう。
食べられそうなら、おかゆ、うどん、バナナ、豆腐などを少量から試します。
脂っこいもの、冷たいもの、香辛料の強いもの、アルコールは避けたほうが安心です。
下痢が続く、水分がとれない、血便がある、強い腹痛や発熱がある場合は、食事で様子を見すぎないようにしてください。
吐き気があるとき
吐き気が強いときは、無理に食べなくても大丈夫です。
まずは水分を少しずつ。
一度にたくさん飲むと気持ち悪くなることがあるため、少量をこまめにとるのがおすすめです。
吐き気が落ち着いてきたら、おかゆやうどんなど、やわらかく温かいものを少しずつ試しましょう。
食べすぎた翌日
食べすぎた翌日は、胃を休ませる意識で選びましょう。
朝は白湯やおかゆ。
昼はうどんや野菜スープ。
夜は豆腐、白身魚、やわらかく煮た野菜。
いきなり揚げ物やこってりしたラーメンに戻すと、また胃が重くなることがあります。
1日だけでも軽めに整えると、体が楽に感じることがあります。
消化にいい食べ物の簡単な献立例
朝食
・卵がゆ
・すりおろしりんご
・白湯または麦茶
朝は胃腸がまだ動き始めの時間です。
温かく、やわらかいものを少量から食べると負担をかけにくくなります。
昼食
・やわらかく煮たうどん
・豆腐
・大根やにんじんの煮物
昼は少し食べられそうなら、うどんに卵や豆腐を足してもよいでしょう。
野菜は生ではなく、煮たものを選ぶのがおすすめです。
夕食
・白ごはんまたはおかゆ
・白身魚の煮付け
・かぶや白菜のスープ
夜は食べすぎないことが大切です。
寝る直前にたくさん食べると胃が重くなりやすいため、早めの時間に軽めに済ませましょう。
胃腸がつらいときに受診を考えたいサイン
軽い胃もたれや食べすぎなら、食事を軽くして様子を見ることもあります。
ただし、次のような場合は、食事だけで様子を見すぎないほうが安心です。
・強い腹痛がある
・嘔吐を繰り返す
・水分がとれない
・下痢が何日も続く
・血便や黒い便がある
・高熱がある
・急に体重が減った
・脱水が心配なほど尿が少ない
・意識がぼんやりする
・子どもや高齢者でぐったりしている
・持病があり体調の変化が心配
消化にいい食べ物は、あくまで胃腸に負担をかけにくい食事の工夫です。
病気を治すものではありません。
不安があるときは、無理に自己判断せず、医療機関や相談窓口を利用してください。
消化にいい食べ物は、胃腸を甘やかすものではなく整えるもの
胃腸がつらい日は、食事をがんばりすぎなくて大丈夫です。
おかゆ。
うどん。
豆腐。
卵。
白身魚。
やわらかく煮た野菜。
バナナやすりおろしりんご。
こうした食べ物を、少しずつ、ゆっくり、温かい状態で食べる。
それだけでも、胃腸への負担は変わります。
反対に、揚げ物、脂身の多い肉、辛い料理、冷たいもの、食物繊維が多すぎるものは、調子が悪い日には控えめにしたほうが安心です。
大切なのは、完璧な食事にすることではありません。
今の体に合わせて、無理なく食べることです。
胃腸が弱っている日は、体が「少し休みたい」と言っている日かもしれません。
いつもの食事に戻る前に、まずは一食だけでもやさしいものを選んでみてください。
[出典]
・国立がん研究センター東病院「消化の良いもの・悪いもの」
・厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」
・養命酒製造「消化にいい食べ物一覧」
・草花クリニック「胃や腸の不調を解消!胃腸に優しい食べ物」
・わこう胃と大腸の内視鏡クリニック「消化の良い食べ物一覧と選び方」