
78歳で初めてパソコンを手にし、91歳までXへの投稿を続けた大崎博子さん。
毎日の食卓や晩酌、太極拳、健康麻雀、韓国ドラマについて飾らない言葉で発信し、フォロワーは21万人を超えました。
大崎さんは2024年7月23日、91歳で亡くなりました。前日まで普段と変わらずXを更新していたため、突然の知らせに驚いた人も多かったのではないでしょうか。
年齢を理由に新しいことを諦めず、自分で選んだ生活を最後まで楽しんだ大崎さんとは、どのような人物だったのでしょうか。
その経歴や家族、ひとり暮らしの習慣、最後の投稿、今も多くの人の心に残る生き方をたどります。
気になる内容からチェック
大崎博子さんは何者?
大崎博子さんは、78歳からXを始めたシニアインフルエンサーです。
1932年生まれで、自らを「高貴香麗者」と表現していました。
年齢を重ねることを否定的に捉えるのではなく、気高く、香り高く、麗しく生きる人という思いが込められた言葉です。
90歳、ひとり暮らしの知恵袋 お金をかけない素敵な毎日の過ごし方
大崎 博子 (著) 形式: 単行本
89歳、ひとり暮らし。お金がなくても幸せな日々の作りかた
大崎 博子 (著) 形式: 単行本
日々の食事や晩酌、近所の公園で行う太極拳、健康麻雀、韓国ドラマなど、ごく普通の暮らしをXへ投稿していました。
特別に豪華な生活を見せていたわけではありません。
それでも、無理に若く見せようとせず、今の自分を受け入れながら毎日を楽しむ姿が、世代を超えて支持されました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | 大崎博子 |
| 生年 | 1932年 |
| 亡くなった年齢 | 91歳 |
| 主な活動 | Xでの日常発信、著書の執筆 |
| Xを始めた年齢 | 78歳 |
| フォロワー数 | 21万人超 |
| 好きなこと | 晩酌、太極拳、健康麻雀、韓国ドラマ |
| 家族 | 一人娘の夕湖さん |
78歳でパソコンを始めたきっかけ
大崎博子さんが初めてパソコンを購入したのは、78歳の頃です。
きっかけをつくったのは、ロンドンで暮らしている一人娘の夕湖さんでした。
当初は機械の操作が得意だったわけではありません。パソコン教室に通い、少しずつ使い方を覚えていきました。
その後はXだけでなく、スマートフォンやタブレット端末も使いこなすようになります。
「もう高齢だから覚えられない」と諦めるのではなく、分からなければ習い、何度も試しながら自分のものにしていきました。
年齢に関係なく、興味を持ったときが始めどきであることを、大崎さん自身が証明したといえるでしょう。
Xで21万人を超える人に支持された理由
大崎博子さんのXには、特別な演出や計算された写真が並んでいたわけではありません。
その日の天気、食事、体調、テレビ番組の感想など、ひとり暮らしの日常が率直な言葉で投稿されていました。
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ときには戦争を経験した世代として、自身の記憶や平和への思いを発信することもありました。
華やかな成功談よりも、毎日を自分らしく暮らす姿そのものが、多くの人に安心感を与えたのでしょう。
高齢者だけではなく、仕事や人間関係に疲れている若い世代からも、「元気をもらえる」「こんなふうに年を重ねたい」と支持されました。
大崎さんはインターネットを、若い人だけの場所とは考えませんでした。
知らない人との交流を楽しみ、寄せられた反応を日々の張り合いに変えていたのです。
シングルマザーとして娘を育てた
晩年の穏やかな暮らしとは対照的に、大崎博子さんは若い頃、多くの苦労を経験しています。
一人娘を出産したあとに離婚し、仕事を続けながら娘を育てました。
当時は「シングルマザー」という言葉が現在ほど一般的ではなく、離婚した女性や一人で子どもを育てる母親に対する社会の目も厳しい時代でした。
収入面での公的な支援も十分とはいえず、大崎さんは不動産営業などの仕事に就き、生活を支えています。
娘の夕湖さんが成長してロンドンへ渡ったあとは、東京でひとり暮らしを続けました。
娘が海外に住んでいても、電話やデジタル機器を使って連絡を取り合い、親しい関係を保っていたといいます。
ひとり暮らしを寂しい生活にしなかった
大崎博子さんは、ひとり暮らしであることを不幸とは考えていませんでした。
好きな時間に起き、自分の体調に合わせて行動し、食べたいものを自分で用意する。誰かに生活の時間を合わせなくてもよい自由を楽しんでいました。
もちろん、長くひとりで暮らすためには、健康であることが欠かせません。
大崎さんは「健康でいることが仕事」と考え、体を動かし、食事を整え、人との交流も続けました。
一人で暮らすことと、社会から孤立することは同じではありません。
太極拳や健康麻雀で顔を合わせる仲間がおり、Xでは全国のフォロワーとつながっていました。
高齢になってから新しい友人や知人が増えていたことも、大崎さんの生活を支えていた大切な要素です。
毎日の太極拳と健康麻雀
大崎博子さんの生活で欠かせなかったのが、体を動かす習慣です。
近所の公園へ出かけ、太極拳を行うことを日課にしていました。
太極拳は激しく体を動かす運動ではありませんが、姿勢や呼吸を意識しながらゆっくりと全身を動かします。
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毎日外へ出る目的ができるだけでなく、近所の人と顔を合わせる機会にもなっていました。
健康麻雀にも通い、牌を考えて動かしながら、仲間との会話を楽しんでいます。
運動、頭を使う趣味、人との交流を特別な健康法として構えるのではなく、日々の楽しみとして生活に取り入れていたことが特徴です。
晩酌は一日を楽しむ大切な時間
大崎博子さんのXで、多くのフォロワーが楽しみにしていたのが「今宵の晩酌の友」です。
食卓には、ビールやワインとともに、野菜、豆腐、魚、漬物などが色鮮やかに並んでいました。
高価な食材を大量に使うのではなく、冷蔵庫にあるものを組み合わせ、自分が食べられる分だけ用意していました。
ひとり分の料理であっても、皿にきれいに盛りつけます。
誰かに見せるためだけではなく、自分自身の気分を上げ、食事の時間を楽しむためでした。
一人だから食事は簡単でいいと投げやりになるのではなく、一人の時間だからこそ、自分を喜ばせる。
その小さな積み重ねが、大崎さんの考える豊かな暮らしだったのでしょう。
お金をかけなくても毎日は楽しめる
大崎博子さんの暮らしは、ぜいたくな買い物や高級なサービスに頼るものではありませんでした。
散歩をする、太極拳へ行く、麻雀を楽しむ、好きなドラマを見る、夕食をきれいに盛りつけて晩酌する。
身近にあるものを工夫しながら、その日の楽しみを自分でつくっていました。
お金を使うことでしか得られない楽しみもありますが、暮らしの満足度は金額だけで決まるものではありません。
限られた生活費のなかでも、何を大切にするかを自分で決めれば、日常は豊かにできる。
大崎さんの生活が幅広い世代から注目されたのは、将来への不安を抱える人に、現実的な希望を見せてくれたからかもしれません。
年齢を重ねても身だしなみを大切にした
大崎博子さんは、早朝に太極拳へ出かける日でも、簡単に身だしなみを整えていました。
眉やアイラインを整え、顔が明るく見える色のストールや洋服を選びます。
周囲から若く見られることだけが目的ではありません。
きれいにして人と会うことは、大崎さんにとって相手への礼儀であり、自分の気持ちを整える習慣でもありました。
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大崎 博子 (著) 形式: 単行本
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高齢になると、外出や身支度が面倒になる日も増えるでしょう。
それでも小さな手間を惜しまず、外へ出る理由を持つことが、生活の張りにつながっていました。
亡くなる前日まで普段と変わらずXを更新
大崎博子さんが亡くなったのは、2024年7月23日です。
亡くなる前日の7月22日にも、いつもと変わらずXを更新していました。
夕方には、ビールや冷ややっこ、ゴーヤ、ブロッコリー、トマトなどが並ぶ「今宵の晩酌の友」を投稿しています。
夜には睡眠や年齢について触れたあと、「おやすみなさいませ」とフォロワーへあいさつしました。
この言葉が、大崎さん自身による最後の投稿となりました。
翌日まで普段通りに暮らし、食事を用意して発信していたことから、死去の知らせは多くのフォロワーに大きな驚きを与えました。
大崎博子さんの死因は公表されている?
大崎博子さんの具体的な死因については、公表された情報の範囲では確認できません。
自宅でひとりで亡くなっていたことや、異変を知った知人から海外に住む娘へ連絡が入ったことは明かされています。
しかし、確認されていない病名や原因を推測して断定することはできません。
高齢者が自宅でひとりで亡くなった場合に「孤独死」と表現されることがありますが、大崎さんには、娘や親族、近所の知人、太極拳や麻雀の仲間、Xのフォロワーとのつながりがありました。
亡くなった場所だけを見て、孤独な人生だったと決めつけるのは適切ではないでしょう。
終活を早くから準備していた
大崎博子さんは、自分の最期について考えることを避けていませんでした。
生前からエンディングノートを用意し、遺影として使う写真や、大切な書類の場所などを整理していたといいます。
亡くなった際には、自身のXアカウントを使ってフォロワーへ知らせてほしいという希望も残していました。
娘の夕湖さんは、その希望に沿って母親の死去を報告しています。
終活は、死を待つための準備ではありません。
残された家族の負担を軽くし、最後まで自分らしい生活を続けるための整理でもあります。
「迷惑をかけたくない」と考えていた大崎さんらしい準備だったといえるでしょう。
娘が引き継いだ最後の書籍
大崎博子さんの死後、食生活を紹介する書籍『幸せな最期を迎えた91歳ひとり暮らしの食卓』が刊行されました。
本の制作は生前から進められていましたが、完成前に大崎さんが亡くなったため、娘の夕湖さんが引き継ぎました。
書籍には、Xで紹介していた食卓、毎日の料理、食生活の工夫、生前のインタビューなどが収められています。
大崎さんが特別な日の料理ではなく、毎日の普通の食事を大切にしていたことが伝わる一冊です。
亡くなる前日まで続いた食卓の記録は、レシピだけでなく、自分の人生を自分で楽しむ姿勢も残しました。
大崎博子さんが残した「今からでも遅くない」という姿
大崎博子さんがXを始めたのは78歳です。
多くの人が「今さら新しいことを始めても」と考えてしまう年齢から、パソコンを学び、十数年にわたって発信を続けました。
その結果、21万人を超える人とつながり、書籍を出版し、テレビや雑誌からも注目される存在になりました。
大崎さんは、有名になることを最初から目指していたわけではありません。
自分の日常を楽しみ、その日の気持ちを言葉にし、交流を続けた先に、多くの人とのつながりが生まれました。
新しいことを始めるのに、早いか遅いかを決めるのは年齢ではありません。
今日から始めた小さな習慣が、その後の人生を思いがけない方向へ広げることもあります。
91歳まで自分の好きな暮らしを続けた大崎博子さんの姿は、「残りの人生」ではなく「これからの人生」をどう過ごすかを、静かに問いかけています。
90歳、ひとり暮らしの知恵袋 お金をかけない素敵な毎日の過ごし方
大崎 博子 (著) 形式: 単行本
89歳、ひとり暮らし。お金がなくても幸せな日々の作りかた
大崎 博子 (著) 形式: 単行本
幸せな最期を迎えた91歳ひとり暮らしの食卓
大崎 博子 (著), 大崎 夕湖 (著) 形式: 単行本