
キングコングの梶原雄太さんは、今ではYouTuber「カジサック」としても広く知られています。
芸人としてテレビで活躍していた人が、なぜYouTubeに本気で向き合うようになったのか。
そこには、単なる流行への乗り換えではなく、「自分がもう一度、全力を注げる場所を探したい」という切実な思いがありました。
カジサックは、軽い気持ちで始まったチャンネルではありません。
2018年10月1日にYouTuberとしてデビューし、「2019年末までにチャンネル登録者数100万人を達成できなければ芸人を引退する」と宣言。大きな賛否を呼びながらも、2019年7月には100万人を突破し、芸人引退を回避しました。
いま振り返ると、カジサックの挑戦は、芸人がYouTubeに進出する流れの先駆けのひとつだったともいえます。
気になる内容からチェック
キングコング梶原雄太とは
梶原雄太さんは、お笑いコンビ・キングコングのメンバーです。
相方は西野亮廣さん。
1999年にコンビを結成し、若手時代から大きな注目を集めました。
2001年にはフジテレビ系の人気番組『はねるのトびら』がスタート。キングコングは番組の中心メンバーとして出演し、若い世代を中心に知名度を一気に広げていきます。
『はねるのトびら』は2001年に始まり、2012年9月26日に放送終了しました。
キングコングは、漫才でも高い評価を受けたコンビです。M-1グランプリでは2001年に決勝へ進出し、2007年には決勝で3位に入っています。
梶原さんは、早くからテレビで活躍した芸人のひとりでした。
『はねるのトびら』終了後に感じていた苦しさ
カジサックを始めた理由を考えるうえで、『はねるのトびら』終了後の梶原さんの心境は外せません。
テレビで大きく売れた一方で、梶原さんはその後のバラエティ番組の流れに、自分がうまく乗れなかったと語っています。
新R25のインタビューでは、「干された」というより、ひな壇バラエティで活躍できず、需要がなくなっていったという趣旨の話をしています。
『はねるのトびら』での梶原さんは、体を張る企画やコント的な笑いに強さがありました。
一方で、時代とともにテレビの主流は、MCがいて、ひな壇に芸人が並び、トークで笑いを作る形式へと変わっていきます。
その中で、梶原さんは自分の長所を出し切れない感覚を抱いていたようです。
テレビで売れた人だからこそ、テレビの中で思うように力を出せない苦しさがあったのかもしれません。
相方・西野亮廣の挑戦も刺激になった
キングコングの相方である西野亮廣さんは、絵本作家、オンラインサロン、舞台、映画など、早くからテレビ以外の活動にも広げていきました。
梶原さんは、新R25のインタビューで、西野さんに対して負い目はなかったとしながらも、自分自身が100%の力を注げるものがないことにストレスを感じていたと語っています。
相方が自分の道を切り開いていく姿を見ながら、梶原さんも「自分が全力で向かえる場所」を探していたのでしょう。
その答えが、YouTubeでした。
YouTuberの熱量に衝撃を受けた
梶原さんがYouTubeに強く興味を持つきっかけのひとつが、YouTuberの人気を目の当たりにしたことです。
新R25のインタビューでは、レッドブルのイベントにレポーターとして参加した際、フィッシャーズさんや水溜りボンドさんが登場した時の観客の盛り上がりに衝撃を受けたと語っています。
芸人が出てきた時とは違う熱量で会場が沸いたことから、梶原さんは「芸能人の人気がYouTuberに奪われている」と感じたようです。
その後、YouTuberの動画を見るようになり、YouTubeの面白さにハマっていきます。
ここで大きかったのは、単に「YouTubeが流行っている」と感じたことではありません。
梶原さんは、芸能人とYouTuberが本気で交わる場所に可能性を見たのだと思います。
ヒカルとの出会いが大きな転機に
カジサックとして本格的に動き出すうえで、大きなきっかけになったのが、YouTuber・ヒカルさんとの出会いです。
新R25のインタビューで梶原さんは、ヒカルさんの動画に出演したことが、YouTuberになる大きなきっかけだったと語っています。
最初は、芸能人がYouTuberと絡むことで何か面白いことが起こせないか、という感覚だったようです。
しかし、ヒカルさんから「明確な目標を設定しないと意味がない」という趣旨の助言を受けたことで、梶原さんはより本気でYouTubeと向き合うようになります。
そこで出した答えが、芸人とYouTuberの「二刀流」でした。
カジサックはなぜ芸人引退を賭けたのか
カジサックが大きな話題になった理由のひとつが、「登録者100万人を達成できなければ芸人を引退する」という宣言です。
2018年10月1日にYouTuberとして活動を始めた梶原さんは、2019年末までに公式YouTubeチャンネル「カジサックの部屋」の登録者数100万人を目指すと宣言しました。
これは、かなり大きな賭けです。
芸人としてのキャリアを持つ人が、YouTubeという新しい場所で結果を出せなければ芸人を辞める。
それだけ強い言葉を出したからこそ、賛否も集まりました。
「芸能人がYouTubeを甘く見ている」と感じた人もいたはずです。
一方で、その覚悟があったからこそ、視聴者にも本気度が伝わったのだと思います。
結果として、カジサックは2019年7月11日に登録者100万人を達成。期限より半年ほど早い到達でした。
100万人突破から200万人超へ
カジサックの勢いは、100万人突破で止まりませんでした。
2019年7月に登録者100万人を達成したあと、2020年5月16日には「カジサックの部屋」の登録者数が200万人を突破しています。
FANY Magazineでは、2018年10月1日にYouTuberとしてデビューしたカジサックが、2020年5月に200万人を達成したことを伝えています。
吉本興業の公式プロフィールでも、梶原雄太さんはYouTuber「カジサック」として活動中とされ、「カジサックの部屋」は登録者数200万人超と紹介されています。
この数字を見ると、カジサックの挑戦が一時的な話題ではなく、継続して支持されたことがわかります。
カジサックがYouTubeで受け入れられた理由
カジサックがYouTubeで受け入れられた理由は、知名度だけではありません。
芸能人として名前が知られていても、YouTubeで成功するとは限りません。
テレビとYouTubeでは、求められる距離感も、見せ方も、視聴者との関係性も違います。
カジサックが支持された理由として、次のような点が考えられます。
芸人としてのトーク力があった
梶原さんは、芸人として長く活動してきた人です。
相手の話を引き出す力、場を回す力、空気を読む力があります。
YouTubeでは、ゲストとのトークや家族との会話など、その力が自然に活きました。
テレビのひな壇では出しにくかった部分が、YouTubeの長尺トークや企画では伝わりやすくなったのかもしれません。
本気度が伝わった
カジサックは、片手間でYouTubeを始めたわけではありません。
登録者100万人を達成できなければ芸人を引退するという宣言は、視聴者にとっても強いインパクトがありました。
もちろん、この宣言には賛否がありました。
それでも、「本気でやる」という姿勢を見せたことで、応援したいと思う人も増えたはずです。
YouTuberへの敬意があった
カジサックの挑戦で大きかったのは、YouTuberを下に見なかったことです。
芸能人がYouTubeに来た、という形ではなく、YouTuberの世界を学びながら入っていく姿勢がありました。
ラファエルさんやヒカルさんなど、すでにYouTubeで活躍していた人たちと関わり、そこから学んでいったことも印象的です。
YouTubeを「テレビの代わり」ではなく、別の文化として受け止めたことが、カジサックらしさにつながったのだと思います。
家族やチームの空気が伝わった
カジサックのチャンネルでは、家族やチームの存在も大きな要素です。
ヨメサック、子どもたち、チームスタッフ、芸人仲間、YouTuber仲間。
そうした人たちとの関係性が、チャンネル全体の空気を作っています。
視聴者は、梶原雄太さん個人だけでなく、カジサックという場のあたたかさも見ていたのではないでしょうか。
芸人とYouTuberの二刀流という挑戦
カジサックの挑戦は、芸人がYouTubeに進出する流れの中でも、かなり早い段階の本格的な例でした。
今では、芸能人や芸人がYouTubeチャンネルを持つことは珍しくありません。
しかし、2018年当時は、まだ「芸能人が本気でYouTubeをやる」ことに対して、違和感や反発もありました。
その中で、梶原さんはあえてYouTubeに本腰を入れました。
キングコング梶原としての芸人活動。
カジサックとしてのYouTuber活動。
この二刀流は、単なる肩書きの追加ではありません。
テレビでうまく出しきれなかった自分の長所を、YouTubeという場所で出し直す挑戦でもありました。
カジサックの現在
2026年7月時点で、梶原雄太さんは吉本興業の公式プロフィール上でも、YouTuber「カジサック」として活動中と紹介されています。
公式プロフィールでは、次のように複数のYouTubeチャンネルが案内されています。
| チャンネル | 公式プロフィール上の登録者数表記 |
|---|---|
| カジサックの部屋 | 200万人超 |
| カジサックの小部屋 | 50万人超 |
| カジサックのゲーム部屋 | 10万人超 |
| 梶原雄太の部屋 | 20万人超 |
| カジサックが切り抜く部屋 | 7万人超 |
| 毎週キングコング | 40万人超 |
正確な登録者数は日々変わるため、最新の数字はYouTube公式チャンネルで確認するのが確実です。
ただ、公式プロフィール上でも複数チャンネルが継続して紹介されていることから、カジサックがYouTubeを一過性の活動ではなく、長く続けていることはわかります。
カジサックを始めた本当の理由
キングコング梶原さんがカジサックを始めた理由は、ひとことで言えば「もう一度、自分の力を出し切れる場所を見つけたかったから」ではないでしょうか。
テレビで若くして売れた。
でも、テレビの形が変わる中で、自分の良さを出しきれない時間があった。
相方の西野亮廣さんは、自分だけの道を切り開いていた。
YouTuberの熱量を見て、時代の変化を感じた。
ヒカルさんや周囲の人との出会いを通じて、本気で挑む覚悟が固まった。
そうしたいくつもの流れが重なって、カジサックは生まれました。
カジサックは、芸人がYouTubeを始めたというだけの話ではありません。
一度、自分の居場所に迷った人が、新しい場所で自分の長所を出し直した物語でもあります。
カジサックの挑戦が残したもの
カジサックの挑戦は、芸能人YouTubeの見方を変えた出来事のひとつです。
芸能人だから成功した。
有名だから登録者が増えた。
そう見ることもできます。
でも、それだけなら長く続きません。
カジサックが支持されたのは、芸人としての経験を持ちながら、YouTubeの世界を学び、視聴者との距離を作り直したからだと思います。
テレビで輝いた人が、別の場所でもう一度輝く。
そのためには、過去の成功にしがみつくのではなく、新しい場所のルールを学ばなければいけません。
カジサックは、その覚悟を見せた人でした。
カジサックは“再出発”の名前だった
キングコング梶原さんにとって、カジサックは単なるYouTuber名ではありません。
テレビで思うように力を出せなかった時期を経て、自分の長所をもう一度信じるための名前だったのだと思います。
2018年に始まった挑戦は、2019年の100万人突破、2020年の200万人突破へとつながりました。
もちろん、そこには賛否もありました。
簡単な道ではなかったはずです。
それでも、カジサックという活動が多くの人に届いたのは、ただ面白い動画を作ったからだけではありません。
迷いながらも、もう一度本気で走り出した姿があったからです。
キングコング梶原がカジサックを始めた理由。
それは、時代の変化に気づき、自分の居場所をもう一度作るための、覚悟ある再出発だったのではないでしょうか。
出典
- 吉本興業株式会社「キングコング 梶原雄太 プロフィール」
- 新R25「『干された』は間違いだった。YouTuber・カジサックとして始動したキンコン梶原の覚悟」
- ORICON NEWS「YouTuberカジサック、チャンネル登録者数100万人突破 期限まで半年残し“芸人引退”回避」
- FANY Magazine「YouTube公式『カジサックの部屋』が登録者数200万人を突破」
- フジテレビ「はねるのトびら」公式ページ
- M-1グランプリ公式サイト「大会の歴史」