
寒い季節になると、つい手に取りたくなるニット。
ふんわりしていて、あたたかくて、着るだけで気持ちまでやわらかくなる服です。けれど、洗濯となると少し緊張しませんか。
「洗ったら縮みそう」
「肩が伸びて型崩れしそう」
「洗濯機で洗っていいのかわからない」
「干し方を間違えて、形が変わったら困る」
ニットは、洗い方と干し方で仕上がりが大きく変わります。
大切なのは、強く洗わないこと、熱すぎるお湯を使わないこと、水を含んだ重さで伸ばさないことです。
洗濯表示を確認し、やさしく洗い、形を整えて平干しする。
この流れを押さえるだけで、お気に入りのニットを長く着やすくなります。
気になる内容からチェック
- 1 ニットはなぜ型崩れしやすい?
- 2 まず洗濯表示を確認する
- 3 ニットを洗う前に準備するもの
- 4 洗う前に色落ちチェックをする
- 5 ニットを手洗いする方法
- 6 ニットを洗濯機で洗う方法
- 7 ニットの正しい干し方は平干し
- 8 ハンガー干しはできるだけ避ける
- 9 乾燥機は使わない方が安心
- 10 ウールやカシミヤは陰干しする
- 11 ニットが伸びた時の整え方
- 12 ニットが縮んだ時は無理に引っぱらない
- 13 ニットは毎回洗わなくてもいい
- 14 毛玉を防ぐには摩擦を減らす
- 15 ニットを収納する時の注意点
- 16 ニット洗濯で失敗しないチェックリスト
- 17 洗剤や柔軟剤の選び方も大切
- 18 お気に入りのニットは、やさしく洗えば長く着られる
- 19 出典・確認日
ニットはなぜ型崩れしやすい?
ニットが型崩れしやすい理由は、編み物の構造にあります。
ニットは、糸を編んで作られているため、伸縮性があります。着心地がよく、体にやさしくなじむ一方で、水を含んだ状態では重くなり、引っぱられると形が変わりやすくなります。
特に注意したいのは、次のような場面です。
- 洗濯機で強く回す
- こすり洗いをする
- 長時間脱水する
- 濡れたままハンガーに吊るす
- 乾燥機にかける
- 熱いお湯で洗う
ウール素材の場合は、水に濡れた状態で摩擦がかかると、繊維同士が絡まり、縮みやフェルト化につながることがあります。
ニットを洗う時は、「汚れを落とす」だけでなく、「形を守る」ことを意識するのが大切です。
まず洗濯表示を確認する
ニットを洗う前に、必ず洗濯表示を確認します。
洗濯表示には、家庭で洗えるかどうか、水温の上限、洗濯機が使えるか、手洗いが必要か、乾燥機が使えるかなどが示されています。
確認したいポイントは、主に次の4つです。
| 確認する表示 | 見るポイント |
|---|---|
| 洗濯処理 | 家庭で洗えるか、手洗いか、洗濯機が使えるか |
| 水温 | 30、40などの数字は上限温度 |
| 乾燥 | タンブル乾燥が使えるか |
| アイロン | スチームや温度に注意が必要か |
洗濯桶のマークに「×」がある場合は、家庭で水洗いできません。無理に洗うと縮み、型崩れ、色落ち、風合いの変化につながることがあります。
大切なニットや高価なニット、素材がよくわからないものは、無理に自宅で洗わず、クリーニング店に相談した方が安心です。
ニットを洗う前に準備するもの
自宅で洗えるニットなら、次のものを準備します。
- おしゃれ着用洗剤
- 洗濯ネット
- 大きめの洗い桶、または洗面ボウル
- バスタオル
- 平干しネット、または平らに干せる場所
- ゴム手袋
洗剤は、普段用の洗濯洗剤ではなく、おしゃれ着用洗剤を使うのが基本です。
ニットはデリケートな衣類なので、洗浄力の強さよりも、繊維への負担を抑えることを優先します。
また、手洗いでも洗濯機でも、洗濯ネットはあると便利です。ニットをたたんだ状態でネットに入れると、洗濯中の摩擦や型崩れを防ぎやすくなります。
洗う前に色落ちチェックをする
濃い色のニットや、初めて洗うニットは、色落ちチェックをしておくと安心です。
目立たない場所におしゃれ着用洗剤の原液を少しつけ、数分置いたあと、白い布やタオルで軽く押さえます。布に色が移る場合は、他の衣類と一緒に洗わず、単独で手早く洗うか、クリーニング店に相談してください。
特に、黒、ネイビー、赤、濃いブラウンなどのニットは、色移りに注意したいところです。
白いニットと濃い色のニットを一緒に洗うと、毛羽や色が移ってしまうこともあります。色が近いもの同士で分けると失敗しにくくなります。
ニットを手洗いする方法
ニットを大切に洗いたいなら、手洗いが安心です。
手洗いといっても、ゴシゴシ洗う必要はありません。むしろ、こすったり、もんだりするのは避けます。
1. ニットを裏返してたたむ
まず、ニットを裏返します。
表面の摩擦を減らすことで、毛羽立ちや毛玉を防ぎやすくなります。袖口や襟元など、汚れが気になる部分は外側になるようにたたみます。
たたむ時は、洗い桶や洗面ボウルに入る大きさに整えます。
2. 30℃以下の水で洗浄液を作る
洗い桶に30℃以下の水を入れ、おしゃれ着用洗剤を適量溶かします。
熱いお湯は使わない方が安心です。温度が高すぎると、縮みや色落ちにつながることがあります。
「少しぬるいかな」ではなく、手を入れて温かさを強く感じない程度を目安にします。
3. やさしく押し洗いする
たたんだニットを洗浄液に入れ、手のひらでやさしく押します。
押して沈める。
力を抜いて浮かせる。
また軽く押す。
この動きを繰り返します。
こする、もむ、ねじる、引っぱる洗い方は避けてください。ニットに摩擦や力がかかると、縮みや型崩れの原因になります。
汚れが気になる部分も、強くこすらず、洗剤をなじませる程度にします。
4. きれいな水ですすぐ
洗い終わったら、きれいな水に入れ替えてすすぎます。
すすぎも、洗う時と同じようにやさしく押しながら行います。洗剤が残ると、肌ざわりや風合いに影響することがあるため、泡やぬめりが残らないようにします。
柔軟剤を使う場合は、最後のすすぎで少量だけ使います。入れすぎると香りが強く残ったり、風合いが重く感じられたりすることがあるため、製品の目安量を守ります。
5. バスタオルで水気を取る
すすぎ終わったニットは、手でねじって絞らないでください。
軽く水を切ったあと、バスタオルの上に広げます。タオルで包むようにして、上からやさしく押し、水気を吸い取ります。
洗濯機で脱水する場合は、洗濯ネットに入れ、短時間だけ軽く脱水します。長く脱水すると、シワや型崩れの原因になることがあります。
ニットを洗濯機で洗う方法
洗濯表示で洗濯機洗いができるニットなら、洗濯機を使うこともできます。
ただし、通常コースではなく、おしゃれ着コース、ドライコース、手洗いコース、おうちクリーニングコースなど、やさしく洗えるコースを選びます。
1. 裏返してたたむ
手洗いと同じように、ニットを裏返してたたみます。
袖が伸びないように内側へ折り、形を整えてから洗濯ネットに入れます。
2. ぴったりサイズの洗濯ネットに入れる
洗濯ネットは、大きすぎないものを選びます。
ネットの中でニットが大きく動くと、摩擦や型崩れの原因になります。たたんだニットがちょうど入るくらいのサイズが使いやすいです。
1つの洗濯ネットに何枚も詰め込むのは避けます。
3. おしゃれ着用洗剤を使う
洗剤は、おしゃれ着用洗剤を使います。
普段用の洗剤をなんとなく使うのではなく、ニットやデリケート衣類に合ったものを選ぶと安心です。
洗剤を多く入れすぎると、すすぎ残りや風合いの変化につながることがあります。必ず製品の目安量を確認します。
4. 弱いコースで短時間洗う
洗濯機では、おしゃれ着コースやドライコースなど、弱水流のコースを選びます。
脱水は短めにします。長時間の脱水は、シワや型崩れ、伸びの原因になることがあります。
洗い終わったら、洗濯機の中に放置せず、すぐに取り出して形を整えましょう。
ニットの正しい干し方は平干し
ニットを干す時は、平干しが基本です。
濡れたニットは水を含んで重くなっています。そのままハンガーに吊るすと、重さで肩が伸びたり、裾が下がったり、全体の形が崩れたりすることがあります。
平干しネットがある場合は、ニットを広げて置き、形を整えて干します。
平干しネットがない場合は、バスタオルを敷いた上に置いたり、ピンチハンガーの上に平らに乗せたりして、できるだけ重さが一点にかからないようにします。
大切なのは、吊るさず、引っぱらず、形を整えた状態で乾かすことです。
ハンガー干しはできるだけ避ける
ニットを普通のハンガーにかけて干すと、肩の部分が出っ張ったり、袖や身頃が伸びたりすることがあります。
特に、厚手のニット、ローゲージニット、水を含んで重くなるニットは、ハンガー干しに向きません。
どうしてもハンガーを使う場合は、肩に重さが集中しないように、物干し竿に袖と身頃を分散してかけるなど、負担を減らす工夫が必要です。
ただし、型崩れを防ぎたいなら、やはり平干しが安心です。
乾燥機は使わない方が安心
ニットに乾燥機を使うと、縮みや型崩れ、毛羽立ちの原因になることがあります。
特にウールやカシミヤを含むニットは、熱と摩擦に弱いものが多いため、乾燥機は避けた方が安心です。
洗濯表示でタンブル乾燥不可になっている場合は、乾燥機を使えません。
急いで乾かしたい時でも、乾燥機に入れるのではなく、バスタオルでしっかり水気を取ってから、風通しのよい場所で平干しします。扇風機やサーキュレーターで風を送ると、乾きやすくなります。
ウールやカシミヤは陰干しする
ウールやカシミヤのニットは、直射日光を避けて陰干しします。
日光に当たり続けると、黄ばみや色あせにつながることがあります。風通しのよい日陰で、形を整えて乾かすのが安心です。
干す前には、両手ではさむように軽くたたき、シワを伸ばして形を整えます。
袖口、襟元、裾、肩のラインを見ながら、着た時の形に近づけてから干すと、乾いた後の仕上がりがきれいになります。
ニットが伸びた時の整え方
洗濯後に少し伸びたように感じる場合は、完全に乾く前に形を整えます。
袖が伸びた時は、袖口から肩に向かって軽く寄せるようにします。
裾が広がった時は、幅を整えて、左右のバランスを見ます。
肩のラインが崩れた時は、平らな場所で形を戻します。
乾いてから無理に引っぱるより、湿っているうちに整える方が自然です。
ウールのセーターは、アイロンやスチーマーを浮かせてスチームを当てると、風合いよく仕上がる場合があります。ただし、アイロンを押し当てると風合いを損ねることがあるため、少し離して使うのがポイントです。
ニットが縮んだ時は無理に引っぱらない
ニットが縮んでしまった時、力任せに引っぱるのは避けてください。
無理に伸ばすと、形がゆがんだり、編み目が乱れたりすることがあります。
軽い縮みであれば、スチームを使いながら少しずつ形を整えられる場合もあります。ただし、ウールが強く縮んでフェルト化してしまった場合、完全に元へ戻すのは難しいことがあります。
お気に入りのニットほど、縮んでから直すより、縮ませない洗い方をする方が大切です。
ニットは毎回洗わなくてもいい
ニットは、着るたびに毎回洗う必要があるとは限りません。
汗をたくさんかいた日、食べこぼしやにおいが気になる日は洗った方がよいですが、短時間着ただけなら、風通しのよい場所で休ませるだけでも十分な場合があります。
着た後は、すぐにクローゼットへ戻さず、ハンガーに軽くかけるか、平らな場所で湿気を飛ばします。
ただし、長時間ハンガーにかけっぱなしにすると伸びることがあるため、乾いたらたたんで収納します。
お気に入りのニットを長く着るには、洗う頻度を減らすことも大切なお手入れです。
毛玉を防ぐには摩擦を減らす
ニットに毛玉ができる原因の多くは摩擦です。
バッグが当たる脇、袖口、裾、リュックが当たる背中などは、毛玉ができやすい場所です。
毛玉を防ぐには、次のような工夫が役立ちます。
- 同じニットを毎日続けて着ない
- バッグやリュックとの摩擦を減らす
- 洗濯時は裏返してネットに入れる
- 強くこすり洗いしない
- 毛玉ができたら早めに取る
毛玉を取る時は、無理に手でむしらないようにします。繊維を引っぱってしまい、ニットを傷めることがあります。
毛玉取り器やハサミを使う場合も、生地を切らないように慎重に行います。
ニットを収納する時の注意点
ニットは、ハンガーにかけたまま長く収納すると、肩や身頃が伸びることがあります。
収納する時は、たたんで置くのが基本です。
厚手のニットは、ぎゅうぎゅうに押し込まず、ふんわり重ねます。
湿気が残ったまま収納すると、においやカビの原因になることがあるため、しっかり乾かしてからしまいます。
シーズンオフにしまう場合は、汚れを落としてから収納します。汗や皮脂が残ったまま長期間しまうと、黄ばみや虫食いにつながることがあります。
防虫剤を使う場合は、衣類に直接触れないようにし、製品の使い方を確認してください。
ニット洗濯で失敗しないチェックリスト
洗濯前に、次の項目を確認しておくと失敗しにくくなります。
- 洗濯表示を確認した
- 家庭で水洗いできる表示だった
- 色落ちチェックをした
- おしゃれ着用洗剤を用意した
- 洗濯ネットを使う
- 30℃以下の水で洗う
- こすらず、もまず、やさしく洗う
- 脱水は短時間にする
- ハンガー干しではなく平干しする
- 乾燥機を使わない
- ウールやカシミヤは陰干しする
- 乾く前に形を整える
この中でも特に大切なのは、洗濯表示、やさしい洗い方、平干しです。
洗剤や柔軟剤の選び方も大切
ニットを長く着るには、洗い方だけでなく、洗剤や柔軟剤の選び方も大切です。
普段着用の洗剤ではなく、おしゃれ着用洗剤を使う。
柔軟剤を使う場合は、香りや量を控えめにする。
肌ざわりや衣類ダメージが気になる時は、洗剤そのものを見直す。
洗濯洗剤と柔軟剤の選び方については、こちらの記事でも詳しく整理しています。
洗濯洗剤と柔軟剤の選び方|匂い・肌ざわり・衣類ダメージで後悔しないために
ニットは、普通の衣類より少しだけ気を使う服です。けれど、扱い方を知っておけば、必要以上に怖がることはありません。
お気に入りのニットは、やさしく洗えば長く着られる
ニットは、洗濯で失敗しやすい服です。
でも、洗濯表示を確認し、おしゃれ着用洗剤でやさしく洗い、形を整えて平干しすれば、型崩れや縮みのリスクは減らせます。
こすらない。
ねじらない。
熱いお湯を使わない。
濡れたまま吊るさない。
乾燥機にかけない。
この基本を守るだけでも、仕上がりは変わります。
お気に入りのニットは、ただの防寒着ではなく、季節の気分まで包んでくれる服です。
少しだけ丁寧に扱って、来年も、その次の冬も、気持ちよく袖を通せる一枚にしておきたいですね。
出典・確認日
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