
冬のボーナスが入ると、「何に使おう」「できるだけ貯金した方がいいのかな」と迷う人も多いのではないでしょうか。
まとまった金額が振り込まれると、少しくらい贅沢してもよい気がします。その一方で、将来のことを考えると、使うのが怖くなることもあります。
冬のボーナスには、誰にでも当てはまる唯一の正解はありません。
大切なのは、全額をひとつの目的に使うのではなく、次の3つに分けて考えることです。
- 今の生活を守るお金
- 将来に向けて育てるお金
- 今を楽しむためのお金
この記事では、冬のボーナスの平均額や手取りの目安を確認しながら、独身の人にも家庭のある人にも使いやすい振り分け方を紹介します。
気になる内容からチェック
冬のボーナスの使い道は「守る・育てる・楽しむ」に分ける
使い道が決まっていない場合は、まず次の割合を出発点にしてみましょう。
| 分け方 | 割合の目安 | 主な使い道 |
|---|---|---|
| 守るお金 | 50% | 生活防衛資金、近い将来の支払い、借入金の返済 |
| 育てるお金 | 30% | 目的別貯金、資産形成、資格取得、仕事道具 |
| 楽しむお金 | 20% | 旅行、外食、趣味、家電、自分へのご褒美 |
これは、すべての人に当てはまる絶対的な割合ではありません。
貯金がほとんどない人は「守るお金」を70%程度に増やし、すでに十分な備えがある人は「育てるお金」や「楽しむお金」を増やしてもよいでしょう。
大切なのは、買い物を始める前に割合を決めることです。残った金額を貯金するのではなく、最初に貯金分を分けておけば、使いすぎを防ぎやすくなります。
2025年冬のボーナス平均額はいくらだった?
厚生労働省が2026年4月8日に公表した調査によると、2025年の年末賞与は、賞与を支給した事業所に勤める労働者1人当たりで平均42万4,889円でした。
賞与を支給しなかった事業所を含めた全労働者平均は36万7,529円です。
一方、経団連が2025年12月24日に公表した大手企業の平均額は100万4,841円でした。
数字に大きな差があるのは、調査対象となる企業規模や集計方法が異なるためです。ニュースで「冬のボーナスが100万円を超えた」と報じられていても、すべての会社員が100万円前後を受け取っているわけではありません。
自分のボーナスを平均額だけで評価するのではなく、勤め先の規模、業種、年齢、役職なども踏まえて考える必要があります。
冬のボーナスは額面より手取りが少なくなる
ボーナスの使い道を決めるときは、会社から通知された支給額ではなく、実際に振り込まれる手取り額で考えましょう。
ボーナスからは、主に次のものが差し引かれます。
- 健康保険料
- 厚生年金保険料
- 雇用保険料
- 所得税・復興特別所得税
- 40歳以上65歳未満の場合は介護保険料
扶養人数、前月の給与、加入している健康保険組合などによって異なりますが、ボーナスの手取りは額面の70~80%程度がひとつの目安です。
| 額面のボーナス | 手取りの概算 |
|---|---|
| 20万円 | 約14万~16万円 |
| 40万円 | 約28万~32万円 |
| 60万円 | 約42万~48万円 |
| 100万円 | 約70万~80万円 |
例えば、額面40万円のボーナスを前提に40万円分の買い物をすると、実際の振込額では足りなくなる可能性があります。
購入や旅行の予約は、給与明細や入金額を確認してから行う方が安全です。
冬のボーナスで最初に確保したい「守るお金」
ボーナスが入ったら、まずは今後1年以内に必要になるお金を確認します。
生活防衛資金を確保する
病気やケガ、退職、収入減、家電の故障などは、予定どおりには起きてくれません。
急な出費に備えた貯金がない場合は、旅行や投資よりも生活防衛資金を優先しましょう。
一般的には、最低でも生活費の3カ月分、可能であれば6カ月分程度をすぐに引き出せる預貯金として確保しておくと安心です。
毎月の生活費が20万円なら、まずは60万~120万円がひとつの目標になります。ただし、家族構成や働き方によって必要額は異なります。
年末から春までの支払いを確認する
冬のボーナスが支給される時期は、何かと出費が増えます。
- 帰省や旅行
- クリスマスや年末年始
- 賃貸住宅の更新料
- 引っ越し費用
- 自動車税や車検
- 入学や進学の準備
- 固定資産税
- 保険料の年払い
近いうちに支払う予定があるお金は、貯金とは別にしておきましょう。
口座に残っているから使ってよいと考えると、支払期限が来たときに慌てることになります。
金利の高い借入金から返済する
カードローンやリボ払いなど、金利の高い借入金がある場合は、貯金や投資よりも返済を優先した方が家計改善につながることがあります。
投資には値下がりする可能性がありますが、借入金を返済すれば、その分の利息負担は確実に減ります。
ただし、住宅ローンなどの繰り上げ返済については、生活防衛資金や住宅ローン控除とのバランスもあるため、手元資金をすべて返済に回すのは避けましょう。
冬のボーナスで未来を変える「育てるお金」
守るお金を確保できたら、残りの一部を将来のために使います。
目的のある貯金に回す
ただ貯金口座に入れるだけでは、何のためのお金なのか分からなくなり、途中で使ってしまうことがあります。
- 引っ越し資金
- 結婚資金
- 車の購入費
- 住宅購入の頭金
- 教育費
- 海外旅行
- 転職や独立の準備
- 老後資金
目的ごとに口座を分けるか、銀行アプリなどで名前を付けて管理すると、使ってよいお金との区別がつきやすくなります。
NISAなどで長期の資産形成を始める
当面使う予定がなく、生活防衛資金も確保できている場合は、NISAを利用した長期的な資産形成も選択肢になります。
ただし、ボーナス全額を一度に投資する必要はありません。
投資に慣れていない人は、ボーナスの一部を残し、毎月の積立額を少し増やす方法もあります。購入時期を分散できるため、相場の高い時期に一括で購入するリスクを抑えやすくなります。
投資には元本割れの可能性があります。数年以内に使う予定のお金や、生活に必要なお金は投資に回さないようにしましょう。
自分の収入につながるものに使う
資格取得、講座、仕事用のパソコン、作業環境の改善など、自分の能力や収入につながる支出も立派な使い道です。
ただし、「自己投資」という言葉だけで高額な講座を即決するのは危険です。
申し込む前に、次の点を確認しましょう。
- 取得後に具体的な使い道があるか
- 独学や低価格の教材で代用できないか
- 受講料を回収できる見込みがあるか
- 途中で辞めずに続けられるか
「いつか役立つかもしれない」ではなく、「何のために、いつまでに使うのか」を決めることが重要です。
冬のボーナスは楽しむために使ってもいい
ボーナスをすべて貯金しなければならないわけではありません。
旅行や趣味、家族との食事などに使うことで、仕事への意欲が戻ったり、大切な思い出が残ったりすることもあります。
問題なのは、楽しむことではなく、上限を決めないまま使うことです。
先に「手取り額の20%まで」と決めておけば、罪悪感を持たずに使いやすくなります。
満足度が残りやすい使い道
- 家族や大切な人との旅行
- 普段は行かない店での食事
- 毎日使う寝具や家電
- 長く続けている趣味の道具
- 健康診断や歯の治療
- 両親や家族へのプレゼント
- 時間を短縮できるサービスや家電
金額の高さだけでなく、使った後に生活が少し良くなるかどうかで選ぶと、後悔しにくくなります。
手取り額別に見る冬のボーナスの分け方
迷ったときは「守る50%・育てる30%・楽しむ20%」を基準にします。
手取り20万円の場合
| 使い道 | 金額 |
|---|---|
| 守るお金 | 10万円 |
| 育てるお金 | 6万円 |
| 楽しむお金 | 4万円 |
貯金が少ない場合は、守るお金を14万円、育てるお金を4万円、楽しむお金を2万円に変更してもよいでしょう。
手取り40万円の場合
| 使い道 | 金額 |
|---|---|
| 守るお金 | 20万円 |
| 育てるお金 | 12万円 |
| 楽しむお金 | 8万円 |
8万円あれば、短い旅行や家電の購入など、満足度の高い使い方も考えられます。
手取り60万円の場合
| 使い道 | 金額 |
|---|---|
| 守るお金 | 30万円 |
| 育てるお金 | 18万円 |
| 楽しむお金 | 12万円 |
すでに十分な貯金がある場合は、守るお金を20万円、育てるお金を25万円、楽しむお金を15万円にするなど、目的に合わせて調整しましょう。
独身の人が冬のボーナスで意識したいこと
独身の場合、ボーナスを自分の判断で使いやすい反面、すべて自由に使えるお金だと考えてしまいがちです。
しかし、転職や引っ越し、結婚など、生活が大きく変わるときには、まとまった資金が必要になります。
特に20代や30代は、次のようなお金を準備しておくと安心です。
- 転職期間中の生活費
- 引っ越しの初期費用
- 賃貸住宅の更新料
- 結婚や同居の準備費用
- 病気やケガによる休職への備え
- パソコンやスマートフォンの買い替え
「今は必要ない」ではなく、「数年以内に起こる可能性があるか」で考えてみましょう。
家庭のある人が冬のボーナスで意識したいこと
家庭がある場合は、夫婦のどちらか一方だけで使い道を決めず、最初に目的を共有することが大切です。
教育費、住宅、自動車、帰省など、家庭では数年単位の大きな支出が発生します。
おすすめは、ボーナスが入る前に次の3点を話し合っておくことです。
- 必ず支払う予定の金額
- 将来のために残す金額
- 家族で自由に使える金額
すべてを貯金に回すのではなく、少額でも家族で楽しむ予算を設けておくと、お金を残しながらボーナスを受け取った実感も得られます。
冬のボーナスで避けたい使い方
額面を基準に買い物する
実際の手取り額を確認せずに、額面と同じ金額を使う予定を立てるのは危険です。
必ず入金額を確認してから予算を決めましょう。
ボーナス払いを前提にローンを組む
ボーナスは、法律上必ず支給されるものではありません。会社の業績や評価制度によって、減額されたり、支給されなかったりする可能性があります。
ボーナスが出なければ返済できない計画は、家計に大きな負担を残します。
目的なく全額を貯金する
全額貯金そのものが悪いわけではありません。
ただし、目的がないまま普通預金に置いておくと、生活費と混ざり、少しずつ使ってしまうことがあります。
「緊急予備費」「引っ越し」「住宅」「旅行」など、目的を決めて分けておきましょう。
平均額と比べて落ち込む
ボーナスの金額は、企業規模、業種、年齢、勤続年数、評価制度によって大きく異なります。
平均より少なかったとしても、それだけで自分の評価が低いとは限りません。
比べるなら世間の平均ではなく、前年の自分の金額や、勤務先の評価基準と比較しましょう。
冬のボーナスに関するよくある疑問
冬のボーナスはいつ支給される?
民間企業の支給日は会社ごとに異なりますが、12月上旬から中旬に支給する企業が多く見られます。
正確な支給日や査定期間は、勤務先の就業規則や賃金規程で確認してください。
ボーナスから住民税も引かれる?
通常、ボーナスから健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、所得税などが差し引かれます。
住民税は毎月の給与から分割して徴収されるのが一般的なため、通常はボーナスから直接差し引かれません。
ボーナスは何割貯金するのが正解?
貯金が十分でない場合は、手取り額の50%以上をひとつの目安にするとよいでしょう。
ただし、生活防衛資金が確保できている人まで、必ず半分を貯金する必要はありません。
今後数年の支出予定や家族構成に合わせて決めることが大切です。
全額貯金しても問題ない?
近い将来に住宅購入や転職などを予定している場合は、全額貯金という判断もあります。
ただし、目的を明確にし、日常生活で使う口座とは分けて管理しましょう。
最後に|ボーナスは金額より「残し方」で差がつく
冬のボーナスを受け取ると、何を買うかに意識が向きやすくなります。
しかし、本当に大切なのは、使った金額ではなく、使った後に何が残るかです。
迷った場合は、まず次の順番で考えてみましょう。
- 生活防衛資金や近い将来の支払いを確保する
- 目的別の貯金や将来への投資に分ける
- 残した予算の範囲で楽しむ
全額を使う必要も、全額を貯金する必要もありません。
未来の自分を守りながら、今の自分にも少し報いる。そのバランスを取ることが、冬のボーナスを後悔なく使ういちばん現実的な方法です。
出典
- 厚生労働省「毎月勤労統計調査 2026年2月分結果速報・2025年年末賞与」
- 日本経済団体連合会「2025年年末賞与・一時金 大手企業業種別妥結結果」
- 国税庁「No.2523 賞与に対する源泉徴収」
- 三菱UFJ銀行「ボーナスの手取りの計算方法」
- 金融経済教育推進機構「大人になる前に 知っておきたいお金の話」

