
ガソリンスタンドの価格表示を見て、「原油価格が下がったと聞いたのに、なぜガソリンは安くならないのだろう」と感じたことはないでしょうか。
ガソリン価格は、原油価格だけで決まるものではありません。
円相場、輸送費、精製費、ガソリンスタンドの運営費、税金、地域の競争環境など、いくつもの要素が積み重なって店頭価格になります。
2026年7月13日時点のレギュラーガソリン全国平均価格は、1リットル169.9円です。政府の価格抑制策によって170円程度に抑えられていますが、家計にとって決して安い水準ではありません。
この記事では、ガソリンが高い理由、地域や店舗によって価格が違う仕組み、今後安くなる可能性、本当に効果がある節約方法を分かりやすく紹介します。
気になる内容からチェック
ガソリンが高いのはなぜ?
ガソリン価格が高くなる主な理由は、次の5つです。
| 要因 | ガソリン価格への影響 |
|---|---|
| 原油価格 | 原料となる原油が上がると価格も上がりやすい |
| 円相場 | 円安になると輸入に必要な円が増える |
| 国際情勢 | 戦争、紛争、産油国の減産などで供給不安が生じる |
| 精製・輸送・販売費 | 製油所からスタンドへ届け、販売する費用 |
| 税金と補助制度 | 税率や政府の支援策によって店頭価格が変わる |
「原油が高いから」という一言だけでは、ガソリン価格の動きを十分に説明できません。
原油価格が下がっても、円安が進んでいれば日本の輸入価格は下がりにくくなります。反対に、原油価格が上昇していても、円高が進めば負担が一部抑えられる場合があります。
日本は原油の多くを海外から輸入している
日本国内で使われる原油の多くは、海外から輸入されています。
そのため、日本のガソリン価格は国内事情だけでなく、世界の原油市場や国際情勢の影響を強く受けます。
特に影響が大きいのが、中東地域の情勢です。
マンガ解説!法人ガソリンカード産油国で紛争が起きたり、原油を運ぶ航路に不安が生じたりすると、実際に供給が止まっていなくても「今後不足するかもしれない」という警戒から原油価格が上がることがあります。
OPECプラスなどの産油国が生産量を減らした場合も、世界へ供給される原油が少なくなるため、価格が上昇しやすくなります。
円安になるとガソリンが高くなりやすい
原油は、国際市場では主に米ドルで取引されています。
日本の企業が同じ量の原油を輸入する場合でも、円安になるほど多くの円を支払わなければなりません。
例えば、100ドル分の原油を購入する場合を考えてみます。
| 為替相場 | 必要な日本円 |
|---|---|
| 1ドル120円 | 12,000円 |
| 1ドル140円 | 14,000円 |
| 1ドル160円 | 16,000円 |
原油のドル価格が変わっていなくても、1ドル120円から160円へ円安が進めば、日本円での負担は約33%増えます。
ニュースで「原油価格が下落した」と報じられていても、同時に円安が進んでいれば、店頭価格が期待したほど下がらないことがあります。
ガソリン価格には税金も含まれている
ガソリンの店頭価格には、原油代や輸送費だけでなく、複数の税金が含まれています。
2025年には、長年ガソリン価格へ上乗せされていた「当分の間税率」、一般に暫定税率と呼ばれていた部分が廃止されました。
ただし、暫定税率が廃止されても、ガソリンにかかる税金がすべてなくなったわけではありません。
ガソリン税の基本税率、石油石炭税、消費税などは残っています。そのため、原油価格と店頭価格が同じ幅で動くわけではありません。
クレジット審査なし!法人ガソリンカードまた、税制の変更があっても、在庫の入れ替わりや卸価格の反映に時間がかかるため、翌日から全国のスタンドが一斉に同じ金額だけ下がるとは限りません。
2026年は政府の補助で170円程度に抑えられている
2026年には中東情勢の緊迫化によって、原油価格が急上昇しました。
3月16日時点では、レギュラーガソリンの全国平均価格が1リットル190.8円まで上昇しています。
政府は3月19日から、全国平均価格が170円程度を超えないよう、超過する見込みの部分を補助する緊急的な価格抑制策を始めました。
その結果、6月1日時点では169.5円、7月13日時点では169.9円となっています。
ただし、補助金は消費者へ直接振り込まれるものではありません。
元売り事業者へ支給され、卸価格を抑えることで、最終的にガソリンスタンドの販売価格が抑えられる仕組みです。
政府が補助しても全国一律170円にはならない
政府の支援策は、全国平均価格を170円程度に抑えることが目的です。
すべてのガソリンスタンドが170円になる制度ではありません。
実際の販売価格は、地域や店舗によって異なります。
価格差が生まれる主な理由は次のとおりです。
- 製油所や油槽所からの輸送距離
- 地域内にあるガソリンスタンドの数
- 近隣店舗との価格競争
- セルフ式かスタッフ給油か
- 土地代や人件費
- 店舗が仕入れた時期
- 会員価格やアプリ割引の有無
- 離島や山間部などの配送条件
ガソリンスタンドが少ない地域や、長距離輸送が必要な地域では価格が高くなる傾向があります。
反対に、幹線道路沿いに複数のスタンドが並ぶ地域では、価格競争によって安くなる場合があります。
都道府県別ランキングは毎週変わる
ガソリン価格の都道府県ランキングは、調査する日によって順位が変わります。
2026年7月15日に公表された調査では、レギュラーガソリンの都道府県別最高値が178.4円、最安値が163.7円でした。
同じ都道府県内でも、市区町村や店舗によって数円から十数円の差が出る場合があります。
そのため、古いランキングを見て給油先を決めるのではなく、資源エネルギー庁の週次調査や、価格比較サービス、ガソリンスタンドの公式アプリなどで直近の価格を確認する方が確実です。
ETC協同組合のガソリンカードガソリン価格は今後下がる?
今後のガソリン価格を正確に予測することはできません。
価格が下がる可能性が高まる要因には、次のようなものがあります。
- 国際的な原油価格の下落
- 産油国による増産
- 中東情勢の安定
- 円高の進行
- 輸送費や精製費の低下
- 税負担の軽減
- 政府支援の拡充
反対に、原油価格の上昇、円安、紛争、産油国の減産、輸送ルートの混乱が起きれば、価格は再び上がる可能性があります。
現在の価格が補助によって抑えられている場合、原油価格が変わらなくても、支援制度の縮小や終了によって店頭価格が上がることもあります。
「来週必ず安くなる」と予想して給油を先延ばしにするよりも、必要な量を適切なタイミングで入れる方が安心です。
満タンにしない方が燃費はよくなる?
ガソリンを満タンにすると車両が重くなるため、理論上は燃費へわずかな影響があります。
しかし、少量ずつ給油すれば大幅に節約できるわけではありません。
環境省の目安では、100kgの不要な荷物を載せると燃費が約3%悪化します。タンク内のガソリン量による重量差は、通常これよりかなり小さいため、燃費への影響も限定的です。
少量給油を繰り返すと、次の問題も起こります。
- ガソリンスタンドへ行く回数が増える
- 給油のための走行距離が増える
- 安い日にまとめて給油する機会を逃す
- 渋滞や災害時に燃料不足になる可能性がある
- 給油の時間と手間が増える
給油量を減らすことより、普段通る道にある安い店舗で、必要な量をまとめて入れる方が現実的です。
安いガソリンスタンドまで遠出すると損することもある
1リットルあたりの価格だけで判断すると、かえってガソリン代が増えることがあります。
例えば、40リットル給油する場合、1リットル5円安い店舗なら200円安くなります。
しかし、安い店舗へ行くために往復10km余計に走り、車の実燃費が12km/L、ガソリン価格が170円/Lなら、移動だけで約142円分のガソリンを使います。
節約額は実質約58円です。
さらに時間や車両の消耗まで考えると、遠くの店舗へ向かうメリットはほとんど残りません。
価格を比較するときは、次の計算で判断できます。
給油による値引き額 − 余分な移動で使う燃料代
安い店を探すことは有効ですが、普段の通勤経路や買い物ルートから大きく外れない店舗を選ぶことが大切です。
マンガ解説!法人ガソリンカード会員価格と割引を組み合わせる
ガソリンスタンドでは、同じ店舗でも支払い方法によって価格が変わることがあります。
利用できる主な割引は次のとおりです。
- 店舗の会員価格
- 公式アプリのクーポン
- 提携クレジットカード
- QRコード決済の還元
- メールやLINEの限定クーポン
- 洗車や車検利用者向けの割引
- 給油量に応じたポイント
ただし、ポイントを得るために不要な買い物をしたり、年会費の高いカードへ加入したりしては本末転倒です。
値引き額だけでなく、年会費、利用頻度、ポイントの使いやすさまで含めて選びましょう。
本当に効果があるガソリン節約術
ガソリン代を減らすには、給油量を細かく調整するより、燃料の使い方を見直す方が効果的です。
ふんわりアクセルで発進する
発進時は、最初の5秒で時速20km程度を目安に、穏やかにアクセルを踏みます。
急発進を避けるだけで、燃費が約10%改善する目安が示されています。
後続車や道路状況に配慮しながら、安全な範囲で滑らかに発進しましょう。
車間距離を取り、一定の速度で走る
車間距離が短いと、前の車に合わせてアクセルとブレーキを何度も操作することになります。
無駄な加速と減速が増えると、市街地では約2%、郊外では約6%燃費が悪化する目安があります。
十分な車間距離を取り、速度変化の少ない運転を心がけましょう。
停止が分かったら早めにアクセルを離す
前方の信号が赤になったときや、渋滞の列が見えたときは、早めにアクセルから足を離します。
エンジンブレーキを活用することで、約2%の燃費改善が期待できます。
直前まで加速して強くブレーキを踏む運転は、燃料だけでなくブレーキ部品も消耗させます。
タイヤの空気圧を確認する
タイヤの空気圧が不足すると、路面との抵抗が増えて燃費が悪化します。
適正値より50kPa不足した場合、市街地で約2%、郊外で約4%燃費が悪化する目安があります。
適正な空気圧は車種によって異なり、一般的には運転席ドア付近のラベルや取扱説明書で確認できます。
見た目だけでは不足に気づきにくいため、月に一度程度を目安に確認すると安心です。
不要なアイドリングをやめる
エアコンを使用していない状態でも、10分間のアイドリングで約130ccの燃料を消費します。
待ち合わせや長時間の停車では、安全と周囲の状況を確認したうえで、不要なアイドリングを避けましょう。
ただし、信号待ちで手動によって頻繁にエンジンを停止する行為は、安全装置や再始動に影響する可能性があります。車両に搭載された自動アイドリングストップ機能とは分けて考える必要があります。
不要な荷物を車から降ろす
100kgの不要な荷物を載せたまま走ると、燃費が約3%悪化する目安があります。
ゴルフバッグ、アウトドア用品、工具、飲料の箱などを長期間積みっぱなしにしていないか確認しましょう。
ルーフキャリアやルーフボックスも、使用していないときは空気抵抗の原因になります。
エアコンを必要以上に強くしない
冷房や除湿に使うA/Cは、エンジンや電力に負荷をかけます。
真夏に我慢する必要はありませんが、車内を必要以上に冷やしたり、窓を開けたまま冷房を強く使ったりするのは避けましょう。
暖房だけが必要な車種では、A/Cを切っても暖房を使える場合があります。ただし、フロントガラスの曇りを取るときには除湿が必要になるため、安全を優先してください。
クレジット審査なし!法人ガソリンカード価格だけでなく自分の実燃費を把握する
ガソリン代を節約するには、1リットルあたりの価格だけでなく、自分の車が1リットルで何km走っているかを把握することが重要です。
満タン法を使う場合は、次の計算で実燃費を求められます。
走行距離 ÷ 給油量 = 実燃費
例えば、500km走行したあとに40リットル給油した場合は、次のようになります。
500km ÷ 40L = 12.5km/L
毎回記録しておくと、タイヤの空気圧不足、運転方法の変化、車両の不調にも気づきやすくなります。
急に燃費が悪化した場合は、空気圧やオイルだけでなく、ブレーキ、エンジン、センサーなどに問題がないか点検を受けることも大切です。
ガソリン代は「安い店」と「無駄に使わない運転」で減らす
ガソリンが高い理由は、原油価格だけではありません。
円相場、国際情勢、精製費、輸送費、税金、補助制度、地域の競争環境が組み合わさって、店頭価格が決まります。
価格が安い店舗を探すことは大切ですが、数円の差を求めて遠くまで走れば、節約効果は小さくなります。
普段の生活圏にある店舗で会員割引を活用し、穏やかな発進、早めのアクセルオフ、適正なタイヤ空気圧を習慣にする。
派手な裏技よりも、この積み重ねの方がガソリン代を確実に減らしてくれます。
価格は自分で決められません。しかし、どこで入れ、どのように走るかは、自分で変えられます。
出典
- 資源エネルギー庁「石油製品価格調査」
- 資源エネルギー庁「エネルギー価格の支援について」
- 資源エネルギー庁「日本のガソリン価格は世界と比べて安い?高い?」
- 資源エネルギー庁「ガソリンの暫定税率の廃止でガソリン代はどうなるの?」
- 環境省「エコドライブ10のすすめ」
- エコドライブ普及連絡会「エコドライブ10のすすめ」