
考えるのをやめたいのに、仕事のことや過去の失敗、まだ起きてもいない明日の心配が次々と浮かんでくる。
そんな頭の中の忙しさから、少し距離を置く方法として知られているのが「マインドフルネス」です。
ただし、マインドフルネスは雑念を消して無になるための修行ではありません。気持ちを無理に前向きにしたり、悩みを忘れたりする方法でもありません。
今、自分の中で何が起きているのかに気づき、意識を呼吸や体の感覚へ静かに戻していく練習です。
この記事では、マインドフルネスの意味や期待される効果、初心者でも1分から始められる呼吸瞑想のやり方を紹介します。合わないと感じたときの注意点についても、あわせて確認していきましょう。
気になる内容からチェック
マインドフルネスとは「考えを消すこと」ではない
マインドフルネスとは、今この瞬間の感覚や考えに、良い・悪いという判断を加えずに気づくことです。
たとえば、仕事中に過去の失敗を思い出したとします。
普段であれば、「また失敗したらどうしよう」「自分は仕事ができない」と、考えが次の考えを呼び、気づかないまま不安が膨らんでいくかもしれません。
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「今、失敗のことを考えている」「胸のあたりが落ち着かない」と気づき、一度呼吸や足の裏の感覚へ意識を戻します。
考えに飲み込まれないよう、ほんの少し離れた場所から眺める。その繰り返しが、マインドフルネスの基本です。
マインドフルネスと瞑想は同じもの?
マインドフルネスと瞑想は、完全に同じものではありません。
マインドフルネスは、今の状態に気づいている「意識の持ち方」です。一方、瞑想は、その状態を練習するための方法の一つです。
静かに座って呼吸を感じることだけが、マインドフルネスではありません。
食事の味を丁寧に感じる、歩いているときに足の裏へ意識を向ける、相手の話を途中で判断せずに聞く。こうした日常の行動も、マインドフルネスの実践になります。
マインドフルネスにはどんな効果が期待されている?
マインドフルネスに基づくプログラムは、ストレス、不安、気分の落ち込み、睡眠、痛みなどとの関係が研究されています。
ただし、1回行えばすぐに心が軽くなる、誰にでも同じ効果が現れるというものではありません。研究によって結果に差があり、実践方法や期間、参加者の状態も異なります。
「必ず効く健康法」ではなく、心の状態との付き合い方を練習する選択肢の一つとして考えることが大切です。
考えに巻き込まれていることに気づきやすくなる
私たちは、何かを考え始めたことに気づかないまま、その考えを事実のように受け取ってしまうことがあります。
「きっと嫌われている」「どうせ失敗する」と感じても、それは現時点で頭に浮かんでいる考えであり、必ずしも事実とは限りません。
マインドフルネスを続けることで、「今、自分はこう考えている」と気づきやすくなる可能性があります。
注意を目の前へ戻す練習になる
仕事をしながら別の心配をしたり、人の話を聞きながら次に話す内容を考えたりすると、意識は目の前から離れていきます。
呼吸や体の感覚へ意識を戻す練習は、注意がそれたことに気づき、再び目の前へ戻るきっかけになります。
雑念が浮かばなくなるのではありません。雑念が浮かんだあと、そこから戻りやすくする練習です。
ストレスや不安が和らぐ可能性がある
マインドフルネスに基づくプログラムでは、心理的なストレスや不安が平均的に軽減したとする研究があります。
ただし、効果には個人差があります。強い不安や抑うつなどの症状がある場合、マインドフルネスだけで解決しようとせず、医療機関や専門家への相談を優先してください。
初心者でも1分からできる呼吸瞑想のやり方
最初から長時間行う必要はありません。
「毎日20分続けなければ意味がない」と考えると、瞑想そのものが新しい負担になってしまいます。まずは1分だけ、自然な呼吸を感じるところから始めてみましょう。
1.安定した姿勢をつくる
椅子に座り、両足を床につけます。
背筋を無理に伸ばす必要はありません。呼吸が苦しくならず、しばらく保てる姿勢を選びます。
床に座っても、横になっても構いません。ただし、横になると眠りやすい人は、椅子に座る方が取り組みやすいでしょう。
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目を閉じると落ち着かない人は、開けたままで問題ありません。
目の前の床や机など、一点をぼんやり眺めます。集中するために、無理に目を閉じる必要はありません。
3.自然な呼吸を感じる
呼吸を深くしたり、一定の長さに整えたりせず、普段どおりに呼吸します。
鼻を通る空気の感覚、胸やお腹の動きなど、感じやすい場所を一つ選びます。
「吸っている」「吐いている」と、心の中で静かに言葉を添えても構いません。
4.考えが浮かんだことに気づく
途中で仕事や予定、過去の出来事が浮かんでくるのは自然なことです。
考えを追い払おうとせず、「考え事をしていた」「音に気を取られた」と気づきます。
5.もう一度、呼吸へ戻る
気がそれたことに気づいたら、呼吸の感覚へ戻ります。
また考えが浮かんだら、もう一度戻ります。この「気づいて戻る」という動きそのものが練習です。
1分たったら、周囲の音や足の裏の感覚を確認し、ゆっくり終わります。
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瞑想を始めると、「考えが次々浮かんで集中できない」と感じる人が少なくありません。
しかし、雑念が浮かぶこと自体は失敗ではありません。
雑念が浮かんだことに気づかなければ、私たちはそのまま考えの中へ入っていきます。反対に、「今、別のことを考えていた」と気づけた時点で、すでに意識を取り戻しています。
呼吸へ戻れた回数は、失敗した回数ではありません。
気づく練習ができた回数です。
呼吸に集中しづらい人は、別の感覚を使ってもいい
呼吸へ意識を向けると、かえって息苦しさや不安を感じる人もいます。
その場合は、無理に呼吸瞑想を続けず、目に見えるものや体が触れている場所へ意識を向けてみましょう。
飲み物を味わう
コーヒーやお茶を飲むとき、最初の一口だけスマートフォンを置きます。
カップの温度、香り、口に含んだときの味、喉を通る感覚を確認します。
歩く感覚を確かめる
歩きながら、かかとが地面に触れる感覚や、左右の足へ体重が移る様子を感じます。
周囲の安全を確認しながら行い、目を閉じないようにしてください。
手を洗う感覚に集中する
水の温度、石けんの香り、手のひらが触れ合う感覚に注意を向けます。
数十秒の行動でも、意識を今へ戻す練習になります。
マインドフルネスのデメリットと注意点
マインドフルネスは、一般的には大きな危険が少ない実践とされていますが、誰にでも心地よいとは限りません。
不安が強まる、気分が落ち込む、過去のつらい記憶が浮かぶなど、否定的な経験が生じる場合もあります。
つらい感情が強くなることがある
静かに自分の内側へ注意を向けることで、それまで意識していなかった感情や記憶が浮かぶことがあります。
苦しさが強くなる場合は、「向き合わなければならない」と我慢せず、その場で中止してください。
目を開けて周囲を見渡す、足の裏で床を感じる、冷たい水で手を洗うなど、外側の感覚へ意識を戻します。
続けることが義務になることがある
「毎日やらなければ」「落ち着けない自分は下手だ」と考え始めると、マインドフルネスが新たなストレスになります。
できない日があっても問題ありません。
1分で終えても、途中でやめても構いません。続けた日数よりも、無理をしていないかを優先しましょう。
現実の問題を放置する理由にはならない
仕事の負担、人間関係、睡眠不足など、ストレスの原因そのものに対応が必要な場合もあります。
マインドフルネスで気持ちを落ち着かせるだけでなく、休む、相談する、環境を変えるといった現実的な対応も必要です。
また、マインドフルネスは医療や心理療法の代わりではありません。治療中の人や、強い不安、抑うつ、トラウマに関する症状がある人は、自己判断だけで続けず、担当の医師や専門家へ相談してください。
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テクノロジーと実証で肌を変える!高機能スキンケアの新定番【BIOAESTECH】マインドフルネスの効果を感じられないときは
マインドフルネスを試しても、落ち着かなかったり、変化を感じられなかったりすることがあります。
その場合、練習が足りないとは限りません。
「リラックスしなければ」と考えていないか
マインドフルネスの目的は、必ずリラックスした状態になることではありません。
落ち着かない自分に気づくことも、実践の一部です。
最初から長く行っていないか
長時間じっと座ることが負担なら、1分より短くても構いません。
一度だけ呼吸を感じる、足の裏を確認するなど、日常の中で短く行う方法もあります。
呼吸瞑想にこだわっていないか
呼吸が合わない人には、歩行、音、食事、手の感覚などを使う方法があります。
自分が安全に意識を向けられる対象を選びましょう。
即効性を求めすぎていないか
効果を感じるまでの日数や時間に、誰にでも当てはまる正解はありません。
変化を細かく測り続けるより、「考え込んでいることに以前より少し早く気づけた」など、小さな変化を見る方が続けやすくなります。
マインドフルネスについてよくある疑問
何分くらい行えばいい?
初心者は1分程度から始めて問題ありません。
長く行うことよりも、苦しくならない範囲で終えることを優先します。
毎日行わないと効果はない?
毎日できなくても、失敗ではありません。
食事や移動、入浴など、普段の行動に短く組み込む方法もあります。
無になる必要はある?
無になる必要はありません。
考えが浮かんだことに気づき、意識を戻すことがマインドフルネスの練習です。
寝る前に行ってもいい?
寝る前に短く行うこともできます。
ただし、考えや感情が強く浮かんで眠りにくくなる場合は中止し、別の時間帯に行ってください。
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頭の中が忙しいとき、「何も考えないようにしよう」と力を入れるほど、かえって考えが気になることがあります。
マインドフルネスは、考えを完全に消す方法ではありません。
考えや感情が浮かんでいることに気づき、呼吸や体の感覚へ意識を戻す練習です。
まずは一度、自然な呼吸を感じてみる。それだけでも、今この瞬間へ戻る小さなきっかけになります。
ただし、つらさが強くなったときは、無理に続ける必要はありません。
「続けること」よりも、「自分の状態に気づき、安全なところでやめられること」を大切にしてください。
出典
- 厚生労働省 eJIM「瞑想[各種施術・療法]」
- 厚生労働省 eJIM「瞑想とマインドフルネスについて知っておくべき8つのこと」
- 米国国立補完統合衛生センター「Meditation and Mindfulness: Effectiveness and Safety」
- Nature Mental Health「Systematic review and individual participant data meta-analysis of randomized controlled trials assessing mindfulness-based programs for mental health promotion」