
サウナに入ると、汗をかいてすっきりする。
水風呂に入って、外気浴でぼんやりする。
いわゆる「整う」感覚が好きで、サウナに通っている人も多いと思います。
一方で、サウナにはデメリットもあります。
入り方を間違えると、脱水、めまい、立ちくらみ、熱中症、やけど、転倒、血圧の急変などにつながることがあります。
特に、体調が悪い日、飲酒後、食後すぐ、運動直後、睡眠不足の日、持病がある人は注意が必要です。
サウナは、正しく使えば心地よい時間になります。
でも、我慢して長く入るものでも、限界まで水風呂に入るものでもありません。
気持ちよさより先に、安全を置く。
それだけで、サウナとの付き合い方はかなり変わります。
気になる内容からチェック
サウナは体に悪い?
サウナそのものが、すべての人にとって体に悪いわけではありません。
ただし、体に強い温熱刺激を与える行為であることは忘れない方がいいです。
高温のサウナ室に入ると、体温が上がり、汗をかき、心拍数や血圧も変化します。
そのあとに水風呂へ入ると、今度は冷たい刺激で血管が収縮し、体にさらに負荷がかかります。
健康な人でも、入り方によってはつらくなることがあります。
体調が不安定な人、持病がある人、アルコールを飲んだ人、睡眠不足の人にとっては、思っている以上に負担になる場合があります。
サウナは「健康によさそうだから長く入る」ものではなく、「自分の体調に合わせて短く楽しむ」ものです。
サウナの主なデメリット
脱水になりやすい
サウナではたくさん汗をかきます。
汗をかくと、水分だけでなく、体に必要な塩分なども失われます。
水分を摂らないままサウナに入ると、脱水になりやすくなります。
脱水になると、めまい、頭痛、だるさ、吐き気、立ちくらみなどが起こることがあります。
「汗をかくほど体にいい」と思って我慢するのは危険です。
サウナ前、サウナ中の休憩時、サウナ後には、こまめに水分を摂りましょう。
熱中症のリスクがある
サウナ室は高温です。
長時間入り続けると、体温が上がりすぎて熱中症につながることがあります。
消費者庁の注意喚起でも、水分を摂らずに長時間サウナ室に入ると、体温が上がりすぎて熱中症になる可能性があるとされています。
サウナ室で「まだ入れる」「あと少し」と我慢する必要はありません。
汗が出てきた、動悸がする、息苦しい、頭がぼーっとする。
このようなサインがあれば、すぐに外へ出ましょう。
めまい・立ちくらみが起こることがある
サウナ後に立ち上がったとき、ふらっとした経験がある人もいるかもしれません。
高温で血管が広がると、血圧が下がりやすくなります。
そこから急に立ち上がると、めまいや立ちくらみが起こることがあります。
サウナ室から出るときは、ゆっくり立ち上がりましょう。
外へ出たあとも、すぐに水風呂へ飛び込まず、シャワーで汗を流しながら体を落ち着かせる方が安心です。
水風呂で体に負担がかかる
サウナ後の水風呂は気持ちよいものですが、体への刺激は強いです。
高温のサウナ室から冷たい水風呂へ急に入ると、血管が一気に収縮し、血圧が大きく変化することがあります。
特に、心臓や血圧に不安がある人は慎重に考える必要があります。
水風呂に入る場合は、いきなり肩まで入らず、足先から少しずつ体を慣らしましょう。
冷たさがつらいと感じるなら、無理に入る必要はありません。
水シャワーやぬるめのシャワーでも十分です。
やけどの可能性がある
サウナ室では、金属製のアクセサリーやロッカーキーの金属部分が高温になることがあります。
肌に触れていると、やけどにつながる可能性があります。
指輪、ネックレス、ピアス、腕時計、鍵の金属部分などは、サウナに入る前に外しておきましょう。
また、体調不良でサウナ室内から動けなくなると、ベンチや壁に触れている部分に重いやけどを負う可能性もあります。
「少し変だな」と感じたら、早めに出ることが大切です。
転倒しやすい
サウナ室、浴室、水風呂まわり、脱衣所は濡れていて滑りやすい場所です。
サウナ後は体がぼーっとしたり、足元がふらついたりすることがあります。
その状態で急いで歩くと、転倒の危険があります。
特に水風呂に入ったあと、外気浴スペースへ移動するときは注意しましょう。
床が濡れている場所では、ゆっくり歩く。
無理に急がない。
体調が少しでもおかしいときは、その場で休む。
この基本を守るだけでも、事故のリスクは下げられます。
サウナに入ってはいけないタイミング
サウナは、いつでも入っていいわけではありません。
次のような日は避けた方が安心です。
体調が悪いとき
発熱、風邪気味、強い疲労、頭痛、吐き気、だるさがあるときは、サウナを避けましょう。
「汗をかけば治る」と考えるのは危険です。
体調が悪いときに高温環境へ入ると、かえって体に負担がかかります。
サウナは回復のための治療ではありません。
元気な日に楽しむものです。
飲酒後・二日酔いのとき
飲酒後のサウナは避けましょう。
アルコールを飲んだ状態では、脱水になりやすく、判断力も落ちやすくなります。
浴室やサウナ室は滑りやすいため、転倒の危険も高まります。
「サウナで汗をかけばお酒が抜ける」と思う人もいますが、その考え方はおすすめできません。
お酒を飲んだ日は、サウナではなく水分補給と休息を優先しましょう。
食事の直後
食事の直後も、サウナは避けた方がよいです。
食後は消化のために胃腸へ血流が集まりやすい時間です。
そのタイミングで高温のサウナに入ると、体に余計な負担がかかることがあります。
食後すぐではなく、少し時間を空けてから利用しましょう。
運動直後
運動直後は、すでに体温が上がり、汗をかいている状態です。
そのままサウナに入ると、脱水や熱中症のリスクが高くなります。
運動後にサウナを使う場合は、まずクールダウンをして、水分を補給し、呼吸や心拍が落ち着いてからにしましょう。
睡眠不足の日
睡眠不足の日は、体の反応がいつもと違うことがあります。
サウナでぼーっとしやすくなったり、立ちくらみが起きやすくなったりする場合もあります。
眠気が強い日にサウナ室で長く過ごすのは危険です。
疲れを取りたい日ほど、無理にサウナへ入らず、早めに休む選択も大切です。
持病がある人は主治医に相談
脳卒中後、心臓疾患、高血圧で治療中の人、妊娠中の人、慢性的な病気がある人は、サウナ利用前に主治医へ相談しましょう。
サウナが合うかどうかは、病名だけでは判断できません。
治療状況、薬、体調、年齢、血圧、心臓や肺の状態によって変わります。
「周りが入っているから大丈夫」と考えず、自分の体に合わせて判断することが大切です。
サウナの安全な入り方
入る前に水分を摂る
サウナに入る前には、水分を摂っておきましょう。
目安として、コップ1〜2杯ほどの水分を先に摂ると安心です。
のどが渇いてからではなく、入る前に飲むことが大切です。
汗をたくさんかく人、暑い日、運動後に利用する人は、特に水分補給を意識しましょう。
最初は下段に座る
サウナ室は、上段ほど温度が高くなります。
消費者庁の資料では、サウナ室は1段上がると10℃ほど温度が上がると説明されています。
慣れていない人は、最初から上段に座らず、下段から始めましょう。
「上段に長く座る人がすごい」というものではありません。
自分が心地よくいられる場所を選べば大丈夫です。
長く入りすぎない
サウナは、長く入るほどよいものではありません。
一般的に「何分」と言われることもありますが、時間だけで決めない方が安全です。
その日の体調、室温、湿度、座る位置、サウナに慣れているかどうかで、体への負担は変わります。
汗が出た。
動悸がした。
息苦しい。
頭がぼーっとする。
暑さがつらい。
このような感覚があれば、時間に関係なく出ましょう。
水風呂は無理に入らない
サウナといえば水風呂と思う人もいますが、無理に入る必要はありません。
水風呂が苦手なら、ぬるめのシャワーでも構いません。
入る場合も、汗を流してから、足先から少しずつ入るようにしましょう。
いきなり冷たい水に飛び込むような入り方は避けてください。
心臓や血圧に不安がある人は、水風呂を控える選択もあります。
休憩をしっかり取る
サウナ後は、座って休む時間を取りましょう。
外気浴や休憩スペースでは、無理に「整おう」とする必要はありません。
呼吸を整える。
水分を摂る。
体の熱が落ち着くのを待つ。
それだけで十分です。
めまい、吐き気、動悸、強いだるさを感じた場合は、すぐに休み、改善しない場合は施設のスタッフへ知らせましょう。
サウナ初心者がやりがちな危ない入り方
いきなり上段に座る
初めてのサウナで上段に座ると、想像以上に熱く感じることがあります。
無理して座り続けると、体調を崩す原因になります。
最初は下段、短時間、無理しない。
これで十分です。
周りに合わせて我慢する
友人や周りの人が長く入っていると、自分も我慢しなければと思うことがあります。
でも、サウナの感じ方は人それぞれです。
体格、体調、慣れ、汗のかき方、持病の有無でまったく違います。
「先に出るのが恥ずかしい」と思う必要はありません。
つらいと思ったら出る。
それが一番安全です。
水風呂に勢いよく入る
サウナ後に冷たい水風呂へ勢いよく入ると、体に強い刺激がかかります。
冷たさに驚いて呼吸が乱れたり、血圧が急に変化したりすることがあります。
汗を流してから、足元からゆっくり入りましょう。
冷たすぎると感じたら、すぐに出て大丈夫です。
サウナ後にすぐ飲酒する
サウナ後のビールを楽しみにしている人もいるかもしれません。
ただ、サウナ後は汗で水分が失われています。
その状態でお酒を飲むと、さらに脱水が進みやすくなります。
まずは水やスポーツドリンクなどで水分を補給し、体が落ち着いてからにしましょう。
体調がすぐれない日は、飲酒自体を控えた方が安心です。
「整う」を目的にしすぎる
「整う」という感覚を求めすぎると、無理な入り方になりやすいです。
長時間サウナに入る。
冷たい水風呂に我慢して入る。
何セットも繰り返す。
限界まで追い込む。
これでは、リラックスではなく体への負担が大きくなります。
整うかどうかより、気持ちよく終われるかを大切にしましょう。
サウナが向いていない可能性がある人
次のような人は、サウナ利用を慎重に考えた方がよいです。
高血圧で治療中の人。
心臓病がある人。
脳卒中後の人。
息切れしやすい人。
妊娠中の人。
高齢で体力に不安がある人。
脱水になりやすい人。
飲酒習慣があり、飲酒後に利用しがちな人。
めまいや立ちくらみが起こりやすい人。
体調が変わりやすい人。
もちろん、この中に当てはまるから必ず入れないという意味ではありません。
ただし、自己判断で無理をするのは危険です。
不安がある場合は、主治医や医療機関に相談しましょう。
サウナのメリットを感じやすい人
サウナにはリラックス感や気分転換の魅力があります。
仕事や家事の疲れを一度リセットしたい人。
スマホから離れてぼーっとしたい人。
体を温める時間を作りたい人。
入浴や温浴施設が好きな人。
こうした人には、サウナが心地よい習慣になることがあります。
ただし、メリットを感じるためにも、無理をしない入り方が大前提です。
サウナは競争ではありません。
長く入れることが正解でもありません。
自分に合う温度、時間、休憩のペースを見つけることが大切です。
サウナ前後の水分補給
サウナ前後の水分補給は、とても大切です。
サウナ前に飲む。
1セットごとの休憩中に飲む。
サウナ後にも飲む。
この流れを意識しましょう。
水、お茶、スポーツドリンク、経口補水液など、自分の体調に合わせて選びます。
ただし、カフェインが多い飲み物やアルコールは、サウナ中や直後の水分補給には向きません。
大量に汗をかいた場合は、水分だけでなく塩分も意識するとよいでしょう。
高血圧などで塩分制限がある人は、医師の指示に従ってください。
個室サウナを使うときの注意点
近年は、個室サウナやプライベートサウナも増えています。
人目を気にせず楽しめる一方で、体調が悪くなったときに周囲が気づきにくい面があります。
個室サウナを使うときは、非常ボタンやスタッフへの連絡方法を最初に確認しておきましょう。
出口の場所、休憩スペース、飲み物の位置も確認しておくと安心です。
ひとりで長時間入り続けないことも大切です。
体調に少しでも違和感があれば、すぐに外へ出て休みましょう。
サウナで体調が悪くなったら
サウナ中やサウナ後に体調が悪くなった場合は、すぐに利用をやめましょう。
めまい。
吐き気。
動悸。
強い頭痛。
息苦しさ。
ふらつき。
意識がぼんやりする。
このような症状がある場合は、涼しい場所で休み、水分を摂ります。
自分で歩くのが危ないと感じたら、無理に移動しないでください。
施設のスタッフや周囲の人に知らせましょう。
症状が改善しない、意識がはっきりしない、呼吸が苦しい場合は、早めに医療機関や救急へつなぐ必要があります。
サウナを安全に楽しむためのチェックリスト
サウナに入る前に、次の点を確認してみてください。
体調は悪くないか。
睡眠不足ではないか。
飲酒後ではないか。
食後すぐではないか。
運動直後ではないか。
水分を摂ったか。
金属アクセサリーを外したか。
最初は下段から入るつもりか。
つらくなったらすぐ出るつもりか。
水風呂を無理しないつもりか。
休憩時間を取るつもりか。
この中で不安な点がある日は、サウナを休む選択もあります。
サウナは、我慢して入るものではありません。
また元気な日に行けばいい。
そのくらいの気持ちで付き合う方が、安全に続けやすくなります。
よくある質問
サウナは体に悪いですか?
サウナそのものがすべての人に悪いわけではありません。
ただし、高温環境で体に強い刺激を与えるため、入り方を間違えると脱水、熱中症、めまい、血圧の急変などにつながることがあります。
体調に合わせて無理なく利用することが大切です。
サウナに入ってはいけない人はいますか?
体調が悪い人、発熱している人、飲酒後の人、食後すぐの人、運動直後の人は避けた方が安心です。
心臓疾患、高血圧、脳卒中後、妊娠中などの場合は、主治医に確認してから利用しましょう。
サウナは何分入ればいいですか?
何分が正解というより、自分の体調で決めることが大切です。
汗が出てきた、動悸がする、息苦しい、暑さがつらいと感じたら、時間に関係なく出ましょう。
初心者は短時間から始めるのがおすすめです。
水風呂は必ず入る必要がありますか?
必ず入る必要はありません。
水風呂が苦手な人、心臓や血圧に不安がある人は、無理に入らなくて大丈夫です。
ぬるめのシャワーや外気浴でも、体を落ち着かせることはできます。
サウナ前に水を飲んだ方がいいですか?
飲んだ方が安心です。
サウナでは汗をかくため、入る前にコップ1〜2杯ほどの水分を摂ることがすすめられています。
休憩中やサウナ後も、こまめに水分を摂りましょう。
サウナ後にお酒を飲んでもいいですか?
サウナ後は汗で水分が失われています。
すぐにお酒を飲むと脱水が進みやすくなるため、まずは水分補給と休憩を優先しましょう。
体調が悪い日や飲酒後のサウナは避けてください。
サウナで倒れそうになったらどうすればいいですか?
すぐにサウナを出て、涼しい場所で休みましょう。
自分で動くのが危ない場合は、周囲の人や施設スタッフに知らせてください。
症状が改善しない場合や意識がぼんやりする場合は、医療機関や救急につなぐ必要があります。
最後に
サウナは、上手に使えば気持ちをゆるめてくれる場所です。
汗をかいて、体を温めて、静かに休む。
その時間が好きで通っている人も多いと思います。
ただし、サウナにはデメリットもあります。
脱水、熱中症、めまい、立ちくらみ、水風呂による負担、やけど、転倒。
こうしたリスクは、入り方を間違えると誰にでも起こり得ます。
大切なのは、長く入ることでも、限界まで我慢することでもありません。
体調が悪い日は入らない。
飲酒後は避ける。
水分を摂る。
最初は下段から入る。
つらくなったらすぐ出る。
水風呂は無理しない。
休憩をしっかり取る。
これだけで、サウナはずっと安全に楽しみやすくなります。
「整う」よりも、「無事に気持ちよく帰る」。
その境界線を守れる人ほど、サウナを長く楽しめるはずです。